9話 ダグラスの死線 11.12
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そしてアメリカを進軍する連邦の要がこのダグラス部隊であると認識していた。他の前線から大部隊の強襲を聞かなかったことでもあった。この部隊の撃退こそが連邦の前線拡大を防ぐと考えていた。
ガルマもガウの艦内で戦況を見て、意外と粘るなと愚痴をこぼしていた。
そこでガルマは次の策に打って出た。分隊長のバイソン大尉を通信で呼び出した。
「バイソン。貴官の隊を敵中央と左翼の間に割って入れ。陣形が崩れたところでガウの爆撃を敵左翼に浴びせ敵本隊との完全分断を図れ!」
「はっ」
ガルマの指示により、バイソン部隊が戦車隊と航空部隊を率いてダグラスの左翼よりの中央へ雪崩れ込んだ。少々伸びきっていたダグラスの本隊はその攻撃に対応が遅れた。そして先の両翼の攻撃により、各隊が独自に迎撃をしていたダグラス部隊の両翼が更なる指揮系統のトラブルに見舞われた。
そして目論見通り、ダグラスの左翼は完全に孤立化した。ダグラス本隊と右翼がガルマのマゼラアタックとドップ隊、ガウ空母に半包囲されていた。一方の孤立した左翼はただでも遊兵となっている上で包囲されていた。
その状況を見たダグラスは唇を噛んだ。
「戦力の2割を失ってしまった。あと3日持てば・・・」
その言葉を聞いたサミエックは一息ついてダグラスに話しかけた。
「孤立しただけでしょう。まだ失われてはいない。彼らは私が指導した有能なパイロットたちだ。中将の司令に忠実に応え実行している」
そしてサミエックは振り返り艦橋を後にする際にダグラスに安心しろと声掛けた。
「オレが左翼で指揮を取りにいってくる。この戦いの敵は元々烏合の衆だ。ただ数が多すぎて鳥害になっているだけだがな」
そう言って格納庫へ歩いて行った。それを後ろ姿で見送ったダグラスはすまぬと一言を言い、自分で御しえる部隊の再編を激戦の中行った。
サミエックはジム改に乗り込み、部下20機を連れて孤立した左翼にガウの雨の中猛然と走行した。
「いいか!お前ら。ここがこの戦いの踏ん張りどころだ。英雄になるチャンスだぞ!」
サミエックは部隊に激励し、部下はそれに応えるように我武者羅に左翼部隊の救援に進軍した。
* ミネソタ ダグラス部隊 左翼 同日 12:00
包囲されても尚分散した各部隊は部隊内での連携により着々と戦果を挙げていたが、ガウの爆撃とマゼラアタックの綿密で隙のない砲撃により、1機ずつ弾薬、燃料切れを起こしては撃墜されていった。
この状況をある部隊長が話すに、
「狙いを当てるのに越したことはないが、無数となるとこちらには弾倉に限りがある。1発で仕留める戦車とモビルスーツを同等にしては数で圧倒されるとまるでハチの巣を相
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