第六十五話
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、王女は。
「う、うん。どこから話せばいいかな」
「被害者がどんな奴かはわかった。次は殺害についてだ」
「殺害方法については、警察からの発表は無いみたい。犯人のみが知りうる事実って奴なんだろうね。だから詳細な事はわからないけれど、かなり酷い殺されかたをしたというのだけは明かされているよ」
「どんな殺しかたなの」
「切断されたりしているらしいよ」
うわさ話を聞きかじったり、ニュースやネットの情報を総合すれば、どうやら戸次は、絞殺や刺殺、撲殺などではなく、何かによって四肢のどれかを切断されたことが死因になっているそうだった。
ニュース映像では現場全面がブルーシートで覆われた中、現場検証を行う警察の姿が見られた。どこがどうなっているのか、そもそも現場はどの辺りかさえよくわからなかった。
それでも情報はどこからか流出してくる。マスコミのリーク映像や、ネットへの流出画像で現場と思われる場所は特定されたし、大量の血がまき散らされていたことがわかる映像もあったりした。
「現場の状況から、おそらくは複数犯だってことみたいだよ」
「ふむ。確かに、180センチを超える男を夜道で襲うような酔狂な奴はいないわね。だとしたら、怨恨の線が強いってことね。しかも複数で惨殺するほどの強い恨みが」
「うーん、そういわれるとなんだか変な気がしてきたなあ。戸次は弱い奴しか狙わなかったはず。やられる奴は大体がクラスでも孤立しているような生徒ばかりで、とても恨みを持って複数でってやつはいなかったと思う。……もちろん、戸次の被害にあっている生徒を全部知っているわけじゃないから、なんともいえないけど」
「では単独犯なのか? 」
「戸次は相手は弱い奴という思い込みがあったはずだから、その隙をいきなり突けばチャンスはあるかもしれないけど……」
巨漢で格闘技にも通じている男を不意打ちとはいえ出し抜けるような奴があいつに苛められるとは思えなかった。そもそも苛められる奴が逆襲に出る、しかも計画的にという話は聞いたことがないもんな。
「やっぱり、普通じゃ考えられないね」
「……寄生根か」
呻くような声で王女が呟いた。
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