第六十五話
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トからの情報以上の情報など入手できるわけがない。各々に聞いた話なんだけどということで口コミの信憑性もあやふやな情報が飛び交い、それに尾ひれがついてさらに蠢くといったレベルの与太話になっていた。
よって得られた情報なんて本当か嘘かなんて判断さえできなかった。
だからって言う訳じゃないけど、結局のところ、自分の目で現場を確かめて見て、殺人事件という事象が一体何によるものかを確認したかったんだ。王女と俺の眼なら、事件の痕跡を見逃す訳がない。
現場検証も恐らく終わってるだろうし、深夜だからマスコミもいないだろうと思いこの時間にしたというわけ。
のんびりと歩いていると、あっという間に辺りには誰もいなくなっていた。
ホームに降りたときには結構人が多かったのに、もうひとりぼっちだ。
高架沿いに走る道路には数十メートル単位で街頭が立っているが、明るいとは思えない。
景観重視か何かで大きな街路樹が植えられているためか視界が遮断されて、木の陰に誰かが隠れていたとしたら発見に時間がかかりそうだ。
おまけに道路はこの時間帯ということもあるんだろうけどほとんど通行量がない。直ぐ側にモノレールの駅があるし、ハイブリッド・バスの停留所もあるから結構便利だ。さらにエコタウン条例とかで自動車の所有者には結構な税金がかけられることもあり、学園都市の住人は近隣の街と比べてあまり車を持っていないんだ。
公共交通機関が整備されているし、最悪はタクシー(なんと電気自動車)を使えばいいから。なおタクシー利用に際しては学園都市からの補助金が出るので街の外と比べると大幅に安い。……これにはいろんな利権やらなんやらが絡んでいるとかニュースで取り上げたりもしてた。
それから、外部の人間が学園都市に車で来ようとすると、多種の申請書の提出が必要となっていて、それはかなり煩雑だ。よほどの用事が無いとふらっとやってくることはできやしない。いろいろ外部から文句は出ているようだけど、ほとんど相手にしていないみたい。
いろんなマイナス面があるけれども、自動車の所有者が少ないことから、街は空気が綺麗だし、騒音も少ないからそれはそれで良いんだけれどね。
CO2削減の為、政権の総理(後に無責任パッパパラパー総理と呼ばれることになる)が大幅削減を高らかに宣言した影響のため、この街のいろんな部分にそのしわ寄せが来ていると言われている。妙に豪華な駅があるのに駐車場が無いとか、スパコンの台数が計画当時より削減されたのに校舎の設計には反映されず妙に大きなままだったりといろいろあるんだ。なんとか仕分けってやつ。そのためにちぐはぐな街作りになっているのは否めない。いろいろ他にも問題があるんだけれど、これは関係ないので割愛。
「……やっぱりね。結局は何も情報を収集してなかったわ
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