Fate/stay night
1156話
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いたのは凛。
「……ランサー、あんた何で綾子に聖杯戦争の話をしているの? 私やアークエネミーならまだしも」
「っ!?」
凛の言っている内容に気が付き、息を呑む。
そう、ランサーは最初に俺達と戦った時、魔術の世界に関して全く知らないと思われた衛宮を殺そうとした。
いや、実際には殺したんだが、凛の切り札でもあるペンダントの力でそれを無理矢理覆したのだ。
だというのに、何故ランサーは綾子に対して普通に聖杯戦争の話をしているのか。
それに気が付き、ランサーへと鋭い視線を向ける。
つまり、こいつは……
「お前、知ってるな? 綾子の件を」
警戒心を滲ませて告げた言葉だったが、それに対してランサーはあっさりと頷く。
「ああ、勿論。アークエネミーの血を飲んで人間じゃなくなったんだろ? 何だってそんな風になったのかは分からねえが……」
「……アークエネミー、こいつを逃がしちゃ駄目よ。この件をランサーのマスターに知られる訳にはいかないわ」
ジリ、と殺気を噴き出しながら告げる凛。
俺もそれには同意するが、その前にふと気が付き凛に向かって口を開く。
「ちょっと待て。その件をランサーのマスターが知っていたとして、何で何も手を出してこない? 普通なら、この件を利用してこっちに揺さぶりを掛けてきたりするんじゃないか?」
そう、綾子が半サーヴァントとなってしまってから、既に数日が経っている。
もしもランサーのマスターに綾子を使ってどうこうするつもりがあるのだとすれば、今まで何の手出しもしてこない事の方がおかしいのだ。
それは、つまり……
「マスターに綾子の事を報告して、いない?」
「ああ、残念ながらうちのマスターは俺と相性が悪くてな。正直、俺としてもああいうマスターに仕えたいとは思わねえんだよ。だから聞かれた事には答えるが、聞かれてない事には答えない。……安心したかい?」
ランサーの言いたい事は分からないでもない。
事実、ランサーは今まで何度となく自分のマスターを気にくわないといった趣旨の発言をしている。
それを信じるのなら、マスターとランサーの相性は最悪に近いんだろう。
いや、殺し合いにまで発展していないってことは最悪って程悪くはないんだろうけど、それでも聞かれてもいない報告はしたくない。
つまり、進んでマスターの役に立とうとはしないって事か。
……それならさっさとマスターを切り捨てればいんだろうけど、それは以前ランサーに拒否されている。
サーヴァントになるだけあって、色々と義理堅いのは事実なんだろう。
「さて、どうする? ここで俺を追い返すか? もし追い返されたら、俺としてはマスターに報告するかもしれないぜ?」
「……」
ランサーの言い分に
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