Fate/stay night
1156話
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「嬢ちゃん、そんなにカッカとするなよ。こうして手土産も持ってきたんだぜ? 少しは話を聞いてもいいんじゃないか?」
そう告げたランサーの手には、どこから持ってきたのかベーコンのブロック……それも、5kgくらいはあるだろう塊が握られている。
「どこから持ってきたんだ、そんなブロック」
ベーコンくらいなら、それこそさっきまで俺達がいたスーパーでも売っている。あるいは肉屋の類でも売ってるだろう。
けど、あのベーコンの塊のようなものを売っている店となれば、それこそ自分達でベーコンを作って売っているような、本格的な店に限られる。
だが……そんな俺の疑問は、綾子の言葉で霧散する。
「それ、もしかしてスモークンミートのベーコンじゃないのか!?」
「おお、そっちの嬢ちゃん正解だ」
「……盗んできたんじゃないでしょうね?」
綾子の言葉を聞いた凛の態度が微妙に変わる。
何だ、有名な店なのか?
説明を求めて視線を向けると、綾子が口を開く。
「スモークンミートってのは、冬木にある肉屋のベーコンだよ。肉屋と名乗ってるけど、普通の生肉を売ったりしてるんじゃなくて、ソーセージとかベーコンとかの燻製物の専門店だ。ただ、かなり手間暇を掛けて作っているから、値段的にかなり高額なんだよ」
「へぇ、そうなのか」
何故か綾子の言葉に同意したのは、ランサー本人。
「ちょっと、本当に盗んできたんじゃないでしょうね?」
「まさか。ただ、ちょっとした縁があって、人助けをしたらその店の店主だったんだよ。で、そのお礼って事でこうしてベーコンを貰ったんだが……何せ、この大きさだ。マスターに食うかと聞いてもいらないって言うし。で、どうせならお前達と一緒に食おうと思ってな」
「あのね、私達は聖杯戦争での敵同士よ? なのに、何だって一緒に食事をしようって思うのよ」
呆れたように呟く凛に、ランサーは大袈裟に肩を竦める。
「敵同士だからって、一緒に飯食ったり、飲んだりしちゃいけないって訳じゃないだろ?」
「何だって敵同士で……」
「いいだろ、別に。敵同士で飲んだりしちゃいけないとか、つまらねえと思わねえか? そっちの嬢ちゃんはどう思う?」
凛を相手にしては勝ち目が薄いと判断したのだろう。ランサーの視線は、買い物袋を持っている綾子の方へと向けられる。
だが、その綾子も表情はそんなに嬉しそうではない。
「あたしか? うーん、これがスポーツとかだったら分からないでもないけど、聖杯戦争なんだろう? それなら、戦う時にやりにくくなるんじゃないか?」
「ばっか。そんなんで戦気が鈍るかよ」
そんな風に会話をしていて、ふと何か妙な感じがする。
うん? 何だこれは?
その違和感の正体に、最初に気が付
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