Fate/stay night
1156話
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けば速攻で襲ってきそうな理由で豪華な食事にするつもりだった。
それが更に豪華になるんだから、どんな料理になるのか……
「あ、じゃああたし、この前TVでやってた奴を食べたいな。壺に入った料理で、その匂いを嗅げば坊主が寺の塀を跳び越えて食べにくるとか……」
「綾子……あのね、あの料理は今日作ってすぐに食べられるって料理じゃないの。それこそ、1週間とか掛かるのよ? それに作るにしても、材料費だけでこの商品券程度だととてもじゃないけど足りないわよ」
坊主? 壺? どんな料理なのかは分からないが、取りあえずかなり高級な料理の話をしているらしい。
ちょっと興味があるな。
そんな風に会話をしながら、俺が持っている海鮮詰め合わせが特に人の目を引くらしく、買い物に来た時よりも更に周囲の視線を引き付けながら、商店街を出る。
そうしてそろそろ夕日が暮れようかという頃合いに、3人揃って家まで帰ると……
「よお、遅かったじゃねえか。全く、折角来たってのに誰もいないから待っちまったぜ」
……何故か凛の家の門に背中を預けているランサーの姿があった。
思い切り気楽な様子で、まるで自分がこの聖杯戦争における数少ない生き残りのサーヴァントであるとは思ってもいないような、そんな感じ。
本人としては、戦いになるとは思ってもいないのだろう。
だが、ランサーがそう思うのと、凛がそう思うのは全く違う話であり……
「ランサーッ!」
凛の声が周囲に響く。
幸い、周囲には人通りが殆どないからいいが、ここで戦闘になると色々と不味くなる。
もしもここがどこか他の場所なら戦闘になっても問題はないんだろうが。
「凛、落ち着け。ランサーはこっちと戦うつもりで来てるんじゃない。それくらいは、奴の様子を見ていれば分かるだろ」
「……分かってるわよ。けど、今まで行方不明だったランサーがようやく自分から姿を現したのよ? なら、ここで決着を付けるべきじゃない?」
退く気はないとばかりに告げてくる凛。
いやまぁ、その気持ちは分からないでもない。
実際、ランサーは全サーヴァントの中で最も神出鬼没と言ってもいい存在だ。
今までに遭遇したのも、衛宮と遭遇した学校でと、俺が1人で街中をブラブラしている時、そしてバーサーカーとの戦いの様子を見物していたと思しき時。
特に最後の2つは今日の出来事なのを考えると、基本的にこっちの意思でランサーを見つける事が出来ていないのは事実だ。
どこのアサシンかってくらいに隠密度が高い様子は、確かにちょっと敵にするのは厄介極まりない。
……そう考えると、確かにここで倒した方がいいのか?
ただ、どうにもランサーとここで戦う気にはならないんだよな。
性格的に相性がいいんだろうとは思うが
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