Fate/stay night
1155話
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な俺の言葉に首を横に振る。
「いえ、行きましょう。あの神出鬼没のランサーよ? このまま遭遇しないで事態が進んだら、それこそ最後に漁夫の利を取られ兼ねないわ」
「……あのランサーの性格を考えれば、そんな真似はしないと思うけどな。寧ろ、最後に出て来て正面からぶつかって戦うことを選びそうな気がする」
「ランサーだけなら、ね。けど、マスターは逆でしょ? ランサー程の能力を持つサーヴァントを、偵察のために十分に力を活かさせないような真似をするのよ? 何を考えているのか、はっきりとは分からないけど……間違いなく一癖も二癖もある存在よ。だから、ランサーとは出来るだけ早く白黒つけておきたいの。桜の件に余計な茶々を入れさせたくもないし」
呟く凛の顔は、確かに姉と呼ぶのに相応しい表情を浮かべていた。
何だかんだと、そういう感情はまだ抱いているらしい。
いや、そうじゃなきゃ自分達の不利を承知してまで、妹を助けて欲しいとは言ってこないか。
「まぁ、凛の気持ちは分かった。残っている面子を考えれば、俺達が出掛けている間に綾子がどうにかなる可能性も少ないし、夜に出掛けるのは構わない。……まぁ、少し残念ではあるけどな」
「……残念? 何かあった?」
小首を傾げる凛に、俺は意味ありげな笑みを浮かべて口を開く。
「ほら、バーサーカーを倒せば、今夜は綾子と2人でたっぷりと濃厚なサービスをしてくれるって話だっただろう? もしも夜に出掛けないんなら、今からでもたっぷり、ねっとり、ゆっくりとした一時を過ごせた筈なのにってな」
「……っ!? アークエネミーッ! あんたねぇっ! 女好きなのも大概にしなさいよ!? 今はそんな事をしているような時じゃないでしょ!」
顔を真っ赤にしながら叫ぶ凛。近くでは綾子もこれまで経験してきた夜の出来事を思い出しているのか、顔を真っ赤にして俯いている。
がーっと、今にもこっちに飛び掛かってきそうな凛に、笑みを浮かべながら口を開く。
「そうそう。凛はそうやって元気な方がらしいぞ」
「……え?」
ガンドを放とうとしていた凛の動きが止まる。
「あんた、もしかして私を元気づける為に?」
「さて、どうだろうな。ただ、しおらしい凛ってのは、それこそ夜にベッドで俺だけに……いや、俺と綾子の前でだけ見せてくれるだけでいいと思うぞ」
「……全く。ちょっとでもあんたの言葉に感動した私が馬鹿だったわよ」
俺の方を眺め、溜息を吐きつつも、凛は笑みを浮かべる。
色々と思うところはあるんだろうけど、少しでも気分転換が出来たらよしとしよう。
「そう、ね。取りあえずバーサーカーを無事に倒す事には成功したんだし、今日の夕食はちょっと豪華にいきましょうか。ランサーを探す為にも体力を付けないといけないし」
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