Fate/stay night
1155話
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。……うん? じゃあ、あの時に?」
「ええ」
凛が頷くが、俺には全く覚えがない。
「どこでだ?」
「夜になってから、金髪の男と話していた紫の髪の子よ」
そう言われると、すぐに思い出す。
何だか異様な雰囲気を発していた金髪の男と、その金髪の男と話していた紫の髪の女。
それは思い出したんだが……
「え? あの女が桜? 凛の妹?」
「そ」
短く一言で俺の問い掛けを肯定する凛。
チラリと視線を綾子の方へと向けると、どうやらそれで正解らしく頷きを返される。
そしてまた俺の視線は凛の方へと……より正確には凛の、人より若干ボリュームの少ない胸へと向けられ、凛の顔へ。再度胸へと視線を向け……
「え? 妹?」
理解出来ないと首を傾げた瞬間、念動力が危険を察知して反射的に首を傾げる。
次の瞬間、俺の顔があった場所を通り過ぎていく黒い何か……否、ガンド。
改めて凛の方へと視線を向けると、そこでは笑みを浮かべつつも、額にくっきりとした血管を浮かび上がらせている。
「アークエネミー。あんた、今どこを見てたのかしら? ちょっと教えて貰える?」
そんな笑顔のままで告げる凛に、ここで俺はようやくやってしまったと理解した。
自分の胸にコンプレックスを持つ凛だけに、今の俺の言動はとても許せるものではなかったのだろう。
……ただ、弁明を言わせて貰うのなら、あの桜という女は冬服の上から見ても分かる程に胸が大きかった。
それこそ、綾子に勝るとも劣らずといった具合に。
ただ、それを正直に言えば凛が得意としているガンドが……いや、ガンド・マシンガンが叩き込まれるだろう。
だからこそ、言葉を選びつつ口を開く。
「いや、間桐の家の食事は余程その桜って奴に合ったんだろうと思ってな」
「……ふぅん。まぁ、そういう事にしておいてあげる。けど、次はないから気をつけてね?」
ニッコリと……それはもう、ニッッッッッコリとでも表現出来そうな笑みを浮かべる凛に、俺は頷く事しか出来なかった。
それを視界の隅に捉えつつも、口を開く。
「そうなると、今夜はもう外には出ないのか?」
現在の時刻は夕方の、まだ夕食も食べていない時間帯だ。
今までの生活から考えると、夕食を済ませてから外に出てサーヴァントを探すというのをやっていたんだが……
「そう、ね。どうしようかしら。サーヴァントを探すにしても、もう倒すべき相手は今の時点だとランサーだけなのよね。そのランサーは中々姿を現さないし」
「じゃあ、止めるか?」
今までは複数のサーヴァントを呼び寄せたり、遭遇したりする事を期待して夜に出歩いていたのだが、それがランサーだけに絞られるとなると、効率が悪すぎる。
だが、凛はそん
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