序章 王都離脱編
濡衣
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い…これは人違いだ…俺じゃない!」
「これは間違いなく貴様だ!キクト!罪を認めろ!」
「違う!綾上達だって俺の性格知って_______________ッッ!」
興味の無いことには無頓着だと!
皆に向けアピールしようと綾上たちに顔を向けるとただ一人、綾上達の背後にいた黒ローブを着た奴が口角を上げていた。
そしてその黒ローブはフードに手を掛けてゆっくりと降ろしていく。
「!!??」
そのフードの下にはいつも見慣れている顔があった。
黒い髪、紫色の眼。そしてその顔は鏡越しに見る_____俺自身の顔。
「くそ!そういうことか!!」
つまり俺は嵌められたのだ。
図書館に人は客以外に入り口にいた奴一人しかいなかった。しかもそいつはサボり癖があり時々寝てたことがある。だから俺にはアリバイが無い、いや__________最初からなかった。
人間なんて金を積めば幾らでも嘘をつく。「俺が出て行ったか?」とか聞いて目の前に金が置かれたんならすぐ「はい、出て行きましたよ」と答えるだろう。
やられた。俺がバカだった
こうなることは予測できた。
ステータスが低ければレベルを上げればいい。なのに俺はレベルを上げずに本を読もうとしていた。明らかに邪魔だ。それに本にも書いていた。
《|たとえレベル1で《|火魔法》を所持していようと魔力が低ければ使用することはできない》
そして俺が言ったことを思い出す。
『い、いや…体力以外全ステータス…一桁台…』
体力以外ということは魔力も一桁、という風に思われてしまったのだろう。いや、思われても当然だ。しかも本には《|知力の高さは魔法の威力や効果に比例し_____》なども書かれていた。ということは知力も魔力も一桁。赤ん坊以下。つまり塵《役立たず》。
くそ!知力チートを隠すために墓穴を掘った!しかも俺のせいでシャルさんは殺されてしまった。間接的に俺が殺したと同じじゃないか。
「…人殺し」
綾上達の誰かがポツリと呟いた。それを止めるものはいなくゴミを見る目で見つめてくる。
「おまえら_____!?」
お前らの背後に犯人はいる!振り向け!振り向けよ!
そう叫ぼうとして口を開こうとした瞬間、息を飲んだ。
先ほどの黒ローブの顔が変わり、髪の色も変わる。
くそ!またか!
俺の顔をしているんだから気付けばよかった!おそらく幻術系か変化系のスキルか魔法なのだろう。問い詰められそうになっても術を辞めれば簡単に言い逃れできるだろう。
「おい!此奴を牢屋へ連れてけ!明日、処刑する!」
「「はっ!!」
マールドが兵士2人に向け命令を下すと兵士2人は俺の腕を掴み俺の抵抗をなんとも感じず引きずり始める。
冗談じゃない。濡衣で処刑?ふざ
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