序章 王都離脱編
濡衣
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号がすると共に俺の意識は夢の世界から呼び覚まされた。重い瞼をこじ開け、俺の名前を呼んだ奴に目を向けようとして顔を上げるとそこには鎧を身に纏った兵士らしき髭ズラのおっさんがいた。その隣にはジッと俺を見つめているこちらも鎧を身に纏い、兜を装備している青年がいた。
「…何の用すか?こちとら13日間ほぼ徹夜してる身できついんすけど」
俺がそう言うと二人は目を合わせうなづき合いそれぞれ俺の腕を掴んだ。
「ちょ!?なんすか!?ホモか!?俺はノーマルだ!離せ!」
「我々はホモではない。貴様を捕まえに来た城の兵士だ。城まで付いて来てもらおう。」
冷静に答え、俺を引きずる二人。
俺が何をしたんだよ!本読んでただけだぞ!
二人は俺を図書館の外まで連れ出すと俺の体をグルグルに縄で縛り、馬車の中に放り込んだ。
そして口にロープを巻かれ喋ることの出来なくなった俺は何かがおかしいと思い逃げようと体に巻かれた縄を解こうと体を動かすが、一向に縄が解ける気配がなくその様子を見ていた兵士はまるでゴミを見るかのように俺を見ていた。
「おら、さっさと歩け」
「歩きにきぃんだよ!縄を解けやおら!」
「うるさい!早く行け!」
城に着くやいなやすぐさま馬車から出され蹴られながら王室まで歩かされる。こいつ…手加減してねえよな絶対。
「…勇者キクト…いや、罪人キクト!貴様犯した罪はわかっているな?」
「は?」
王室に入れられ何が何だかわからないままマールドが俺に向け怒りの表情を浮かべ話しかけてくる。その隣にはまるでゴミを見るかのような眼をした綾上達がいた。
「貴様シラをきるつもりか?貴様は重罪を犯したんだぞ?」
「…だからなんのことだし?」
一切心当たりがない。俺は13日間ずっと図書館にいたはずだ。したことといえば読書だ。それしかしてない。水と食事はシャルさんが持ってきてくれたし、とには出ていないはずだ。犯罪なんて起こせるわけがない。
「まだしらばくれるのか!貴様はシャル・ルゲナートを殺しただろう!」
「はぁ!?殺してねえよ!殺す意味皆無だろ!」
身に覚えがない。というか死んだのか?シャルさんは。
知らなかった。けど俺はやってない。
てかやる意味すらない。俺はシャルさんに感謝以外の感情を抱いてなんかない。なぜ俺の為に飯を運んでくれたひとを殺さないといけないのか。
「嘘をつけ、この魔水晶に写っていた映像を見てもそう言えるか!」
俺の目の前に運ばれてくる台座の上には大きい水晶が置かれていて、俺の前で止まるとその水晶にはくっきりと俺の顔が映っておりシャルさんと何かを言い争った後、突然シャルさんに切り掛かりシャルさんが倒れたところまで映っていた。
「う、嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ!俺はこんなことしてな
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