十八話:開演の時
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するように伝えていく。
「主が一人きりで蒐集に出るなんて自殺行為だ。幾ら強くとも単体で出るデメリットが大き過ぎる。しかも、闇の書すら持っていない。これじゃあ、わざと捕まえてもらおうとしているようなものだ」
今までの主も含め、今回の主も単体で蒐集に出たという記録はない。
さらに言えば、誘うかのように少し移動しては立ち止まるという不自然な行動を続けている。
結論から言えばこれは―――
「罠の可能性が高い。転移と同時に隠れ潜んでいる騎士達にやられるかもしれない」
「ただ単に時間が無くなって焦っているってことはないの?」
「可能性としてはあるが、それなら、確実に質の良いリンカーコアを持っている人間を誘き出した方がいいだろう?」
「あ、そっか」
蒐集を効率よく行いたいのならリスクを犯してでもフェイトとクロノを誘き出した方が良い。
焦っての行動なのか、完成さえすれば負けないという自信の表れなのかは分からないが都合よく自分達の目の前に丸腰で現れる方が不自然だ。
狡猾な相手ならそのようなミスを犯すはずもない。
「でも、どうしようかしら。明らかに怪しいけど動かないわけにはいかないし……」
「以前のように主の目的が陽動で、その間に騎士達が別の場所で派手に動くという可能性も否定できない」
悩むリンディにクロノ。
できればもっと時間かけて考えたい所ではあるがそのような時間はない。
もしも、ただの相手のミスであればすぐにでも動き出さなければ逃げられる。
しばしの間悩んだ末にリンディは決断を下す。
「クロノと武装局員が主の元に先行。なのはさんとフェイトさんはすぐに出動できるようにアースラに待機。状況によって臨機応変に対応してください」
現状出せる指示の中ではこれが最も無難なものであった。
しかし、執務官と武装局員を罠の真っただ中に放り込むかもしれない。
そんな指示を出した自分に胸が痛むが表情にはおくびにも出さない。
自分が不安そうな顔をすればクルー達全員が不安になる、それが艦長という役目だ。
「分かりました。艦長」
「クロノ君、気を付けてね。相手は下手したら全員でかかってくるかもしれなから」
「全員相手だと勝てる見込みはないな。でも、負けはしないよ」
「頑張ってね」
転送ポートに消えていくクロノの後ろ姿に若干の不安を覚えながらも見送るエイミィ。
様々な可能性を考慮した結果の作戦であるため大失敗はないはずだとも思うが何故か不安が残る。
しかし、この時アースラの誰もが気づくことはなかった。
あの闇の書の主は―――偽物の偽物だということに。
リンディからの指示によりすぐさま動き出さなくてはならないと思うなのはとフェイト。
しかなが
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