十八話:開演の時
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故もなく、いたずらに時間が過ぎていくばかりだ。
「……待つしかないかな」
「そうだね。でも、明日はクリスマスイブだし、楽しもうよ」
「うん。はやてのサプライズもあるしね」
「はやてちゃん、喜んでくれるかな?」
「うん、きっと」
クリスマスの前日の夜、運命は急加速していくことをまだ少女達は知らない。
「主はやて、御気分はいかがでしょうか」
「シグナム達が来てくれたから絶好調や。シグナムも元気やったかー?」
「はい、それは勿論」
「ヴィータも元気そうやし、私も一安心や」
クリスマスイブ、騎士達にはそのような催し物は余り関係はないがはやてが楽しみにしていたのもあり、今日だけはと無理を言って日程を調整したのだ。
ザフィーラも帰ってきてはいるのだが主の帰る家を守るのが守護獣の役目と言い張って家で留守をしている。
「シャマル、僕は一服してくるからはやてとヴィータちゃんを頼むよ」
「はい、お父さん」
「なんで、あたしまで入ってんだよ!」
「子どもだからね」
「こ、子どもじゃねーです」
ちゃっかり子どものカテゴリに入れられたことに憤るヴィータ。
しかし、切嗣の大きな手で頭を撫でられると頬を赤らめて俯く、可愛い反抗に収まる。
その様子に微笑ましそうな笑みを浮かべるはやての顔を一瞥してから切嗣は病室から出ていく。
ここまで来て邪魔に入られるわけにもいかないのだから。
「あ、はやてちゃんのお父さん。お久しぶりです」
「やあ、すずかちゃん。それに……はやての新しいお友達かな?」
にこやかな笑顔を顔にはりつけながら少女達を見る。
正確にはアリサとすずかに挟まれるように立っている―――なのはとフェイトを。
「初めまして、アリサ・バニングスです。ほら、なのはとフェイトも挨拶しなさいよ」
「あ、う、うん、そうだね。フェイト・テスタロッサです。よろしくお願いします」
「た、高町なのはです。はやてちゃんのお友達です」
「よろしくね。アリサちゃん、フェイトちゃん、なのはちゃん」
どこまでも友好的な笑みで四人に対応し、細めた瞳の奥で冷たく魔法少女二人を観察する。
相手の反応から見てこちらがリンカーコアを持っているのはばれていると見て間違いない。
故に講じていた策がなるまでの間、自身への疑いの目を消さなければならない。
シグナムとシャマルに虚偽の混じった念話を飛ばしつつ声をかける。
「今、はやては先生の検診を受けている最中でね。もし時間があるなら少し僕と話をしながら待っていないかい?」
「大丈夫です。やっぱりプレゼントは手渡ししたいので」
(なのは、この人結構な量の魔力を持っているよね?)
(うん、ヴィータちゃん達が気づかなかったのも少し変な
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