8話 ガルマ大返し 11.10
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* グランドキャニオン 谷底 11.10 0:10
シャアとアムロは互いに近場の岩に座り込み話をしていた。
「アムロ君。君のその変わった雰囲気は自分でも自覚があるのかい?」
「そうですね。少なくとも他のひとよりは稀有な人生を送っていますから。貴方にもいろいろアドバイスができます」
「ほう、初対面の私にアドバイスとは・・・興味深いな」
シャアはヘルメットを外し、マスク姿になっていた。アムロも同じくヘルメットを外していた。
「はい。貴方は有名過ぎるほど、そしてオレたちには脅威なので。シャアさんは何か最近思い悩むこととかありますか?」
シャアはアムロからの質問に腕を組み考えた。
「そうだな。私的なことは抜きにしてこの戦争の在り方かな」
「戦争の在り方ですか・・・」
「そう。私の父は思想家だった。この年になって昔とはその色々見えてくるものが違ってきていてね。勿論意識も変わってきていると思っている」
シャアは崖下より微かに見える星空を眺めた。
「そして、更に年を重ねればまた違ったものを見るようになるだろう。徐々にだが、人生についても考えていきたいとは思う」
「そうですか。貴方には信頼できる仲間はいますか?」
「信頼か・・・そうだな。よく考えれば頼るということを軽視していると自覚はあるな」
アムロはここぞと思い畳みかけた。
「きっと何でも自分で済ますことがスタイルだとお思いでしょう。オレには信頼できる仲間がいます。彼らならきっと協力し合いこの戦争を潜り抜けられると思っています」
「そうか。君はいい友人をお持ちのようだ。私とは確かにスタイルが違う」
「シャアさんも人情味溢れた純粋な心を持っていると思います。自分一人で抱え込むことはひいては周りの負担を自分一人で背負い込むということです。全てをご自身の責務だと思わないことが大切です。きっと今もオレの仲間やシャアさんの仲間がオレたちを探しているはずです」
シャアは高らかに笑った。
「ハハ八ッ・・・そうだな。くれぐれも君たちの部隊が私の部下たちを全滅させてないことを祈るよ」
アムロは確かにと思った。アムロやシロッコが鍛えたパイロットたちである。並大抵の練度とは訳が違う。シャアは話続けた。
「確かにな。いささか頑張りすぎていたかもしれん。生きて帰ったら君の言う通り人に頼ることにしよう。人ひとりでは限界がある。自他問わず期待も求めすぎても良くはないな」
3時間は過ぎたであろう。シャアとアムロは互いの通信機器へ連絡が入った。
「アムロ!聞こえるなら返事をして」
セイラの声だった。アムロは今いる崖下の座標を通信で伝えた。
「中佐!どこにいらっしゃいます
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