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逆さの砂時計
対峙
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切れない。
 両手で柄を握り、規則的な呼吸で心を静め。
 目の前の敵にひたりと切っ先を合わせて、睨む。

「剣、か」

 目蓋を閉じたレゾネクトは、何事か思案する素振りを見せた後。
 開いた視界に私を見据え、笑みを消した。

 危険だ。何かを狙っている。
 脳と心臓に、「今すぐ下がれ」と信号が送られてくる。

「…………すぐには死んでくれるなよ?」

 冷酷に歪んだ目元と口元。
 これまでにない強烈な殺意。
 心臓がバクバクと悲鳴を上げる反面、全身の血液が凍る。
 早く逃げろと訴える、自分の生存本能。

 だが。

「死ぬ気なんて、少しもありませんよ」

 それこそ、望むところだ。



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