対峙
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教団体の後ろ楯を抑え終わった頃だ。
急伝を使っていれば、そろそろ各国王室の決定第一報が、アリアシエルに届いてる筈。これでより一層の自粛を議会なりなんなりで可決してくれれば良いのだけど。
後はもう、各地で各宗教の一般信徒達が起こすかも知れない小競り合いや乱闘騒ぎを止めてもらうだけだが。
ベゼドラさんにとっては多分、この辺りが一番難しい。
手加減とか一切しなさそうだ。
間違っても、誰一人として死傷者を出さないでいただきたい。
話がややこしくなるので。
「それにしても、一ヶ月……か」
私達が気配を消して動いているからとはいえ。
レゾネクトの反応がまったく無いのは意外だ。
読みが外れたか?
数千年前は、悪魔達の悪行を利用して女神を立てたらしいが。
現代この世界に、彼らほど分かりやすい『人類の敵』は存在しない。
ならば、対立する人間を同じ方向へ導く為に手っ取り早い方法は何か? と考えた時。
あえて戦争を引き起こそうとしてるんじゃないか、と思い至った。
それを女神アリアが、人間には絶対に不可能な力、しかも、当事者全員に利益をもたらす形……単純で分かりやすいのは怪我人の即時回復とかかな?
で止め続ければ、一度や二度では傾かない認識も、徐々に変化していく。
人間は、圧倒的な何かを持つ者に、いろんな意味で弱いから。
つまり戦場は、恐怖であろうが、嫌悪であろうが、歓喜であろうが。
大勢の人間に鮮烈な印象を植え付ける為の『創造神アリア再臨』の舞台。
一度壇上に上がった主役を途中で下げるのは至難の技だ。
過去に栄光を掲げた者の再登場となれば尚更。
だから、とりあえず戦争の指揮者兼資金源となりうる権力者を黙らせて、舞台が整うのを邪魔してみたのだけど。
まあ、たとえ外れでも、争いを防げば無用な負傷者を出さなくて済むし。
女神アリアが救いの手を差し出す機会も、わずかながら減らせて。
彼女への信仰心を助長する心配もしなくて良い。
結果として、この行動は無駄にならない。
多分。
問題があるとすれば、肝心の二人が現れてくれない一点だ。
「私のほうが無駄骨にならなければ良いんだけど」
呼吸を整え、翼を広げて語りかければ。
応えた風が木々の間を駆け抜けて、見事な花吹雪を披露してくれた。
これで、レゾネクトはこの地を荒らせなくなった。
と、思う。
レゾネクトの特性が未知数である以上、『言霊』がどこまで有効なのか。
本当のところ、絶対に大丈夫だって確信は持てない。
辛うじて希望を繋いでいるのは。
「私には力が効かなかった」という、レゾネクト自身の言葉だ。
私が潜在的にでも神の力を
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