トリップ一年目
第一章 トリップは甘くない
第二話 青空の下を歩く
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〜きっきーside〜
目を覚ました。体中が痛くてたまらない。
辺りを見渡すとそこは瓦礫や廃墟まみれ。
長い間放置されていたわけではないらしい。
イヤーなくらい綺麗な青空だ。
おかしいな〜私、電車にひかれたような・・・
「死後の世界も瓦礫まみれで不景気ね」
冗談を呟いたのはみかんだった。
みかんも死んだのか!
よかった・・・なら、すみれは・・・
「いや、不景気とかとは違うだろ」
いた。
なんでだ。事故に遭ったのは私、みかんだけ。
すみれが死ぬわけない。
「なら、夢?そのわりにはきっきーの表情がリアルだわ」
「リアルで悪かったわね!!」
「あはは、起きた?
まぁ、それはともかく、ここは危なそうだから歩きましょう」
危なそうだから?
みかんの考えがわからないのは、すみれも同じらしい。
私一人がバカじゃないのはよかった。
「わからない?瓦礫に銃弾の跡があるわ。
ここは戦争でもしてるのかしら。
・・・私の予想通り、はやめてよね」
予想通り?
やっぱりみかんの考えがわからない。
とりあえず、言われるがまま歩かされる。
ブレザーのポケットに手を入れ、寒いなと思う。
「いつまで歩くの?」
「ここがわからんないんだからひたすらよ。」
なぜか、すみれに返されてしまった。
みかんに聞いたんだが。
私たちは看板らしき掲示を発見した。
現在地がわかりそうなヒントはあるかも知れない。
書いてある文字を読み上げた。
「えーと、警戒・・・区域?」
「はぁ!?警戒区域って言ったらワートリの!?と、トリップ?」
すみれはナイスリアクションを送るが、みかんは嫌に冷静。
リアクション芸人には向かないなと密かに思う。
「つか、ワートリってことは烏丸先輩に会えるのかな!?
うわ、陽太郎の世話もやれちゃうかな。」
・・・!?待て待て
「太刀川さんに会える!?メロンパンに会えるの!?
餅持ち込んで求婚しなきゃ。
あ、赤飯、お好きかしら」
眺めてないで、みかん、乗れよ!!
何を考え込んでいるんだ。
「あのさ、さわぐのはいいんだが、周りみたら?」
周り?何を見るんだい?
「私たち、混乱してて周りみてなかったんだが、鞄ないんだ。
しかもポケットの中身まで行方不明。
これって私たち、一文無しってことじゃない?」
一文無し!?
ホームレス確定?
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