暁 〜小説投稿サイト〜
座敷牢
6部分:第六章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初
があったのかは全く知らないのだった。それも全くである。知る筈もないことであった。
 蔵もそこにあったものも今はない。何一つとして。そこにあったものは忘れられてしまっていた。完全にだ。
 あの蔵があった場所にあるのはだ。公園だった。そこで子供達が遊んでいる。
「次はブランコに乗ろう」
「うん、そうしよう」
 そこには明るい笑顔があった。だがそこにかつてあったものも誰がいたのかも子供達は知らないのだった。全ては遠い果てに消えてしまっていた。


座敷牢   完


                  2010・6・9

[8]前話 [9] 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ