面倒な依頼
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出入りを知り、そのスラムの中も自由に行き来する、それが彼、カレンノワール。
そんな彼にアーノルドは、
「いつもの面倒くさい依頼さ。……この少女を知っているか?」
試しにその顔写真を見せると、彼は驚いたようだった。
「シャーロットじゃないか。彼女は水を操る“高度知的生命体”だよ」
「……“高度知的生命体”ね。いまいちそれに関しては分からないが……そっちでは何かあったのか?」
「……僕達にはあまり自由がないからね。でもそういえば、近々大きなプロジェクトがとか、秘密裏とか、危険な、だが援護できないとか大騒ぎになっているようだね」
それは今の彼の本体がいる場所の話なのだろう。
聞きながらあアーノルドは、
「また面倒な依頼ばかり押し付けやがって」
「それだけの腕と信頼がアーノルドにはあるんだろうね。そう言えば最近としに来る人が増えているせいかここも様相が少し変わってきているね。もっとも、やっていることはそれほど変わらなそうなんだよね」
「何がいいたい?」
「いや、昨日、50人位かな、ある少女を明日誘拐してこいという依頼があってね。場所は、ウィークスレイ通りらしい」
「時間は?」
「そろそろだと思う。早くしたほうがいいかも」
「分かった、ありがとう」
そう彼に告げて歩き出すアーノルドだがそこで、珍しく彼はアーノルドに、
「アーノルド達の実力は僕が身を持って知っているよ。だから……シャーロットの事はよろしく。数少ない僕の……“友達”なんだ」
「分かった」
短く答えたアーノルドは、あのませた少年であるカレンノアールにしては珍しいと思いながらその場所に向かう。
「デザイナーズチャイルドがらみか」
また変な陰謀に巻き込まれたりしないだろうなとアーノルドは心の中でうんざりしたようにぼやきながら先ほど聞いた場所に向かう。
大きな爆音が聞こえたのはそんな時だった。
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