第5章
冥界合宿のヘルキャット
第99話 修行、始まります!
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る。その事について聞いてもなんかはぐらかされるし。ほんとどうなってんだ?
そんな事を思いながら廊下を歩いていると、とある部屋の前で止まる。
小猫ちゃんの部屋だ。
倒れたって言うし、ちょっと様子を見てみようかな。
コンコンコン。
「はい」
「ん、その声、神楽か?」
「イッセーさん?どうぞ」
神楽に促されて、小猫ちゃんの部屋に入ると、神楽がベットの脇で椅子に座っていた。
「小猫ちゃんの様子を見に来たんですか?」
「うん。小猫ちゃんは?」
「今はぐっすり眠ってます」
そっか。特に大事には至ってないみたいだな。
起こしちゃ悪いし、顔だけ見て行こうかな。
「ん?」
小猫ちゃんの頭部に視線が移る。
そこには神楽に生えているのと同じ猫耳が生えていた!
「そう言えば、貴方には話していなかったわね」
「え?」
声が聞こえて、振り返ると、部長がいた。
「部長」
「少し、昔の話をするわ。昔、姉妹の猫又がいたの」
「猫又って、神楽と同じ」
「ええ。親も家を失った二匹はいつも一緒だった。お互いを頼りに懸命に生きていたわ。そんなある日、二匹は悪魔に拾われた。やがて、その姉が悪魔の眷属になり、まともな生活が送れる様になったのだけれど、転生悪魔になった事で秘めた力が一気に溢れ出てしまった。力の増大が止まらない姉は主を殺し、姿を消した。追撃部隊を全滅させる程に危険なはぐれとなって。そして、いずれ姉の様に暴走するかもしれない。そう懸念した悪魔達は妹を処分しようとしたところを監視すると言う条件でお兄様が引き取ったのよ。それから、笑顔と生きる意味を教えてあげてほしい。そう言われてお兄様から託され、私がその子に名前を与えたの」
「じゃ、じゃあ、その妹が……」
「……私です」
「小猫、起きていたの」
いつの間にか、小猫ちゃんが起きていた。
「……ご心配をお掛けしてすみませんでした」
部長がベットに腰を掛ける。
「加減はどう?」
「……すみません」
「ううん。貴女が頑張り屋さんなのは私が一番よく知っているもの」
「でも、オーバーワークはダメだよ、小猫ちゃん。まあ、地獄のしごきを受けてる俺が言えた義理じゃないけどさ」
「……強くなりたいんです」
「それは分かるけど。体を壊しては元も子も無いでしょう?」
「……祐斗先輩やゼノヴィア先輩、朱乃さん、そしてイッセー先輩の様に心と体を強くしたいんです。ギャー君も強くなってきていますし、私にはアーシア先輩の様に回復の力もありません」
「小猫、貴女だって!」
部長の言葉に小猫ちゃんは首を振る。
「……このままでは、私は役立たずになってしまいます。『戦車』なのに、私が一番弱いから。お役に立てな
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