第5章
冥界合宿のヘルキャット
第99話 修行、始まります!
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たせいか、昔は家族を守る為なら非情になる事もあった。本当は困っている奴の事は放っておかない性分だけど、家族の事を優先する(俺の事は千秋の件で恩を感じていると、同等に優先してくれた)為に罪悪感を抱きながら見て見ぬふりをしたり。鶇さんと燕ちゃんの件がまさにそれだな。
強大な力を持った奴が家族に危害を加えようとしたら、そいつから家族を守る為に意地でも力を付けようと無茶をするだろう。今がまさにそれだ。
「ったく、お前と言い、小猫と言い、困ったもんだぜ」
「小猫ちゃんがどうかしたんですか?」
「倒れた。俺の与えたトレーニングを過剰に取り組んでな」
た、倒れたぁぁぁぁっ!?!?
後輩の悪い報せに驚いた。大丈夫なのか、小猫ちゃん!?
「幸い、神楽の仙術で大事には至ってない。いや、かえってそれを良い事に過剰に取り組んだのかもな」
「その仙術ってなんですか?」
前にも神楽にケガの治りをそれで早めてくれたけど。
「早い話、生命の流れを操作する術だな。生命に流れる気を使ってな。例えば、キズを負った者の気を活性化させて、傷の治りを早めたりな」
神楽がやってくれたのはそれか。
「後は体力を早く回復させたり、気の流れを呼んで気配探知したり、気を乱して生命にダメージを与えたりだな。特にこのダメージは対処法が限られてて、やられた方は大概死ぬな」
マジすか、それ。
「まあ、詳しい事は使い手に聞け。それよりタンニーン。ちょっとイッセーを二、三日借りていくぞ。お呼び出しだ」
「部長のですか?」
「その母上からだ」
部長のお母さんが?なんだろう?
「ああ。なら俺は一度領土に戻ろう」
「待ってくれ!俺の修行は…」
「お前は一度しっかり休め。その調子では、いずれ過労で本気で死ぬぞ。休む事もまた修行だ」
「くっ……」
おっさんの言葉に明日夏は歯噛みするけど、おっさんの言う通り、明日夏は一度しっかり休んだ方が良いと思えた。
小猫ちゃんみたいに倒れるかもしれないし、下手すればおっさんの言う通り、死ぬかもしれない。
「そうだな。お前も一旦山から降りて、しっかり休め。良いな?」
「……分かった……」
おっさんと先生に言われて、明日夏は渋々頷く。
その後、先生に連れられて、俺と明日夏は山を降りた。
ー○●○ー
「ふい〜」
山から帰ってきた俺を待っていたのは、悪魔の貴族社会とグレモリー家の歴史の勉強とダンスのレッスンだった。この二、三日、俺はそんな事をしていた。
なんで俺だけそんな事をやる事になってるんだろう?
部長のお母さんに聞いてもよく分からないし、部長の家のメイドさんや執事さん、それから勉強を教えてくれる教育係の人に何故か「若様」って呼ばれてい
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