1部分:第一章
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こう告げるのである。
「ずっといてもらいたい」
「私さえよければですね」
「そうだ、いてくれ」
主はまた彼に告げた。
「できればだ」
「はい、それでは」
彼は即答は避けた。しかしそれでも言うのだった。
「考えさせてもらいます」
「遠慮はいらん」
こうも言うのだった。
「全くだ。この屋敷を自分の家だと思ってくれ」
「この家もですか」
「そうだ、自分のものと思ってくれ」
また金之助に話す。
「わかったな」
「ではその言葉」
金之助は謙虚にだ。こう主に返した。
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