第3章 リーザス陥落
第72話 ホッホ峡の決戦T
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そして、その日の夕刻。まだ 空には赤みがかかっており、黄昏時だ。
ついに決戦の時が来た。……決戦の地は《ホッホ峡》そして 奪還すべきは 《ジオの町》だ。
皆がその決意を強く持ち、眼には自然と力が込められている。……戦いに参加しない部類の部隊もそれは同様だった。……戦闘部隊が敗れれば、自分達もただでは済まないからこそ、一蓮托生なのだ。
その中心にランスが大きく腕を組んで頷いていた。
「さぁて! ようやく戦争だ、戦争! 準備はいいな? お前ら」
こういう事をさせたら、本当に右に出る者はいないだろう。……ランスの性質や性格を知っている面子からすれば、『お前が言うな!!』と口を揃えていうだろう。
だが、ランスが戦いの場で活躍をしているも言うまでもない事実であり、使徒の1人を撃退した、と言う面では大金星もあげている。……腕っぷしもこの中でも上位に位置している故に、リーザス軍達は殆どが信頼している。だから、皆が頷いていたのだ。
それは、リックも同様だ。
「はっ、いつでも」
リックが頷く故に、その部下達も更に気が引き締まる。……リーザス最強が従っているのだから、当然だといえるだろう。そして、戦闘時、得に強者と相対する時に醸し出す、リックの笑み。……味方でさえ 恐怖にすら思える笑みを浮かべていた。
「……血が滾る。と言うものだ」
リック同様に、笑みを見せるのは清十郎。……目は見開き、口元は歪む。向けられている、と言う訳でもないと言うのに殺気らしい気の圧力を感じ取れるのだ。
リーザス最強と同等の気を有する男が味方にいる。それだけで心強い事はない。
「本当に頼りになるな。……ふっ」
ユーリも、強者である2人、いや ランスもいるから3人を見て笑った。このパーティメンバーが揃えば、大丈夫だ。と心から思える。共に戦線をくぐり抜けてきたのだから。
そんな 面々を一歩離れてい見ているカスタム組の面子達は呆れた表情を浮かべていた。
「まぁ……清十郎さんも、リックさんも そうだそうだとは判ってたけど……」
「いやー、心強いですかねー! でもまぁ、トマトはユーリさんと一緒の方がもっと心強いですかねー! 配置には、すこ〜し、異議が残っていますですよー」
「こらこら、トマトは配置が違うだろ? オレの場所の反対側だ。間違ったふりして勝手に移動すんなよ?」
比較的、互いに近い位置に配置されたラン、トマト、ミリ達は、2人を見て笑っていた。
「でも、ユーリさんって……清十郎さんに勝ってるし、洗脳状態のリックさんにも……。それを考えたら、本当に……」
「おっ、それ オレも思ってたさ。
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