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ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第72話 ホッホ峡の決戦T
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それを遮ったのだ。










 


 この場所は、本隊からも、先遣隊からも離れた位置にある高台。

「ふ、ふふふ……ここまで来ましたか。解放軍、ですね」

 遥か遠方から、距離と明度をものともせずに、妖術魔人アイゼルは、その状況を正確に見つめていた。

 そして、その傍らに立つのは3人の少女の姿をした使徒。宝石3姉妹の異名を持つ使徒の1人、《トパーズ》。

「……そうですね、アイゼル様。……人間同士がぶつかり始めました」
「偶然……、の筈ありませんね。どうにかして、ヘルマンの動きを掴み、そして地形を生かした待ち伏せをした。……美しい手並み。これもあの男(・・・)の力、というべきでしょうか」

 アイゼルは、視線を更に狭く、そして睨むように戦場を見つめた。

 口調、そしてトーンこそは変わってないものの、最大限に警戒している声だ。

 その声を訊いて、少しだけ驚いたのはトパーズだった。だが、直ぐに他の2人が我先に、と手を上げる故に、その驚きもかき消される。

「アイゼル様! 先行させてください! 今度こそ、やつらを……!!」

 地上灯台で敗北を喫した使徒、《サファイア》。

「あっ、アイゼル様、アイゼル様、僕も行っていいですか?」

 そして、新たに1人《ガーネット》。
 2人が手を上げ続けた。

「ガーネット! ここは私が……!」
「いいだろ。裏方ばっかで退屈してたんだ。それに、僕なら上手くやるよ」
「むっ……!」

 まるで、子供のようにケンカをしているが、彼女達の力を決して侮るでなかれ。

 先の戦い、サファイアに勝利した理由は、ランスの不意打ちだった事と悪魔フェリスの力があった事が大きい。あの時の使徒サファイアは、術に集中をし、力を注いでいたからこそ、戦闘力が下がってしまっていたのだ。

 故に、100%、戦闘に集中した彼女達とはまだ、相対をしていないのだ。

 


――魔人が再び、人間たちに牙をむくのだった。



   




































                                                         







〜人物紹介〜



□ ガイヤス・ヤスト

Lv30/30
技能 剣戦闘Lv1 統率Lv1

 ヘルマン軍 第3軍の大隊長の1人にして、トーマ・リプトンの腹心。
 常に冷静沈着を守り、トーマを師と崇め、研鑽を詰んでいるが、悩みの種であるロバートのいるランドスター隊には悪態をついてしまい、冷静さを
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