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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十二話(上) 列島騒乱
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―5月1日 午前3時 エンジュシティ 市役所 会議室ー

 ロケット団はサカキの命でエンジュ市役所を作戦本部として使用することを策定。
 市役所はほぼ中心部にあり、オーキドやサカキの鎮座する大学にそう遠くないことやいろいろと睨みを利かせやすい事がその理由である。大学はポケモンの供給拠点として使うことに。
 作戦本部には幹部クラスが詰めており、本部長及び実質の総司令官はアポロに任命された。
 何を隠そう通信局を真っ先に占領して通信網を絶つことや、ゲートを封鎖して逃げ場をなくすことなど相手の援護をまず来させないよう画策し、本来なら圧倒的に強い実力を持つジムリーダーの軍勢を最終的に包囲殲滅できたのはアポロの建策があってこそである。
 元々の役職が最高幹部であったことは勿論だが上述の功績もあってサカキより作戦本部長に任命されたとき誰も異を唱える者はいなかった。(但し名目上は当然サカキである)また、サカキの狂信的な信奉者でもあり裏切ることはまず有り得ないだろうというのも理由の一つ。
 会議室にはアポロの他に各方面の司令官を務めるランス、アテナ、ラムダの三人が約二時間後より開始予定の一斉侵攻に向けて最終調整を行っていた。

「東方攻略軍の司令官はラムダ、南方攻略軍の司令官はランスとアテナ、西方攻略軍の司令官は私が務めます。それぞれの配置する軍勢は各三万五千体。リーグの軍勢のおよそ30倍〜50倍程度確保していますが敵はかなりの強者。ゆめゆめ気を抜かずに事へ当たるようにしてください」

 アポロはエンジュとその周辺の地形図に三つの駒を置いてそう言った。
 東方攻略軍は竜の穴を占拠してドラゴンポケモンの増員。
 西方攻略軍はアサギシティを抜けて水道に出て比較的足りていない水ポケモンの増員。
 南方攻略軍はジョウト最大の経済都市であるコガネシティを占領して経済資源の確保、増強がとりあえずの目標である。
 いずれもリーグを撃破した後に28番道路、27番道路及び40番水道で起こると予想される自衛隊(在日米軍)との決戦にむけての作戦である。アポロ自身の構想としてはジョウト地方及び内国のリーグの軍勢を占領、撃破し、カントー地方に打って出て首都であるヤマブキシティに侵攻、占領した暁にサカキを頂点とする王国を打ち立てる所まで画策していた。
 アポロはボスであるサカキが四年前の復讐の為本気で日本そのものを獲ろうとしていると信じて疑わなかったのだ。
 当のサカキは最終的に何を考えているかは特に何も言及してはいなかったが。

「なーに。大丈夫よ。あいつらの威力は予想を遥かに超える一つ一つの兵器といえるレベルだぜ。一匹百殺も夢じゃないぜヒッヒッ」

 幹部の一人であるラムダが下卑た笑いを浮かべながらそう答えた。

「あのポケモンたちの力は確かに甚大……
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