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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十二話(上) 列島騒乱
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は第二軍によって壊滅同然の状態に陥りエンジュへの侵入を許し、羅城門周辺がリーグの手に落ちた為それの防衛に精一杯との事です……」

 団員は苦渋の表情でそうラムダに伝えた。

「チッ……。本部長の方は?」

 ラムダはアポロに遣いへ行かせたほかの団員に尋ねる。

「西方戦線は作戦が成功して挟撃中。じきに第三軍の面々を捕え、38番、39番道路及びアサギシティが手中に入るのは時間の問題とのことです」
「ケッ、ただの成り上がりの坊ちゃんじゃねえってことだな。それで、援軍は?」
「全力を注ぎたいためそちらに割く余裕はない。苦しいだろうがせいぜい頑張るように。と……」
「おいおいおい冗談じゃねえよ! ここが突破されたらエンジュが落ちるってことが分からねえ奴じゃないだろ! くそ……」

 ラムダは数分ほど床几に座って考えたのち

「止むを得ん……こうなったらサカキ様経由で伝えて貰うほかねえな。お仕置きが怖いが背に腹は代えられない。サカキ様のいうことなら聞かざるを得ないだろう。すぐにエンジュ大学に行け! 早くしろ!」
「は、はい!」

 下っ端の団員はエンジュ大学へ走らされた。

―午前9時50分 エンジュ大学 学長室―

 学長室ではサカキとオーキドが供に緊迫する戦況を余所に将棋を打ちながら今後のことを話していた。因みにそれなりに報告は入っている。

「エンジュはこれからどうするつもりかの?」
「人質は前言った通り奴隷か団員か慰み者。ロケット団のものということを印象付けるため屋根をすべて黒く塗ろうかなどと考えている」
「もうこの町ではそのくらいしかやることは残っておらんの……。北部の寺院方は食料がつき次第併合するとして、後は色々と……の! ホイ、王手じゃ」

 雪隠づめでサカキの負けである。

「ぐっ……。待っ」

 その瞬間、ドアがノックされる。

「誰だ」
「東方攻略軍司令官のラムダ様の使いのものです!」
「入れ」

 サカキの一言で団員は中に入る。

「現在東方戦線は戦況が芳しくあらず、このままだと壊滅も免れない為アポロ本部長に援軍を要請しましたが拒否された為サカキ様にその、口添えをしてほしいとのことです」
「あんの馬鹿たれが……情けなく泣きつきやがって。あとで折檻してやる」

 サカキは怒りを露わにする。

「そ、それでどう致しますか?」

 サカキは少々黙した後

「ここまで攻め込まれては敵わん。分かった、今一筆書いてやるから待ってろ」

 サカキは奥にある学長の机に向かった。

「そこまで戦況が悪いのならば、エンジュ大学内に未だ格納されている予備のポケモンも出さねばならぬの」
「おいおいそんな事をすれば後が困るぞ」

 サカキが止めに入る。


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