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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十二話(上) 列島騒乱
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らめったなことでは壊れはせぬ。安心するが良い」
因みに酸欠で死なないように昨日までの間にヤナギは網や水ポケモンなどを使って出来る限りこの池にいるポケモンたちを救いだし、隣の池やいかりの湖に放流している。
「な……なるほど」
ヤナギの技の凄さに驚嘆するほかレッドにはなかった。
「ククッ……彼奴らめ、リーグに楯突いた事を大いに後悔させてしんぜよう」
ヤナギの余裕と残忍さが混ざった微かな笑みにレッドは僅かであれど恐怖を覚えた。
「貴方……きっと無事に生きて帰ってきてくださいね」
エリカはレッドの身を案じている。
ポケモンが主体とはいえ戦争である。ヤナギやレッドが生きて帰ってこれる保証はどこにもないのだ。
「俺がこんなのにやられる魂かよ。大丈夫。きっと生きて帰ってくるさ」
「左様ですわね。貴方ならばきっと……いいえ、必ず生還できると信じております」
それを傍から見ていたヤナギは厳めしい面をしていた。二人を妬んでいるわけでも、羨んでいるわけでもない別の思いがある表情で二人を見ている。
「うん」
「それとですね……もしもこの戦争が終わって二人とも無事にいられたら……その……」
彼女は途端に赤くなる。
「え?」
「そろそろ開けるぞ。惚気は後にせい! モンスターボールを用意するのだ!」
ヤナギは咄嗟にそういって見せる。
レッドは少しだけ機嫌を損ねたが、すぐに切り替えてモンスターボールを用意する。
―午前6時58分―
ヤナギの予想は的中し、この時間にブリザードは晴れる。
それとほぼ同時に三人はボールからポケモンを出し、敵が見えてくるのを待つ。
遠くから鬨の声が聞こえる。
そこまで敵は迫っているようだ。まだ粉雪か何かが残っているのか視界はやや霞んでいる。
数分もしないうちに先陣の黒い影が見えた。
ヤナギは合図とばかりに頷く。
「よし……行くぞっ!! 大いに暴れろ!!」
伝説のトレーナーと雪柳斎。全国広しといえどもこれ以上ないタッグが突撃を開始した。
―午前8時30分 エンジュ側河原―
「ええい! 援軍はまだか! いくらなんでも遅すぎんぞ!」
ラムダは窮地に立たされた。
二人が突撃を開始して約一時間半。ただでさえブリザードとナツメによって大損害を被ったうえに最強の二人の猛攻である。
ポケモンや団員たちも敢闘はしたが、だれの目からみても劣勢なのは明らかだった。あれから前線は池の真ん中で止まったまま1oたりとも動いておらずいたずらにポケモンの命を散らすのみだった。
ラムダは非常に苛立っていたが、それは敗北への恐怖の裏返しでもある。
しかしそれ以上の事態がロケット団には迫っていた。
「南方戦線
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