暁 〜小説投稿サイト〜
伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十二話(上) 列島騒乱
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も忘れないように!」

 司令官の伝えた情報は各軍集団の隊長に伝わり、前線で戦うポケモンたちを指揮する下っ端まで下っていく仕組みになっている。

「し、しかしあまりにも不自然ではないでしょうか……。なんだか私には罠のように思えてならないのですが……」

 ゲート付近を守る隊長の一人がそう疑問を呈す。

「うるせー! 俺が突っ込めといったら突っ込むんだ! 俺たちには後がねえ前進あるのみ……」

 その瞬間、ズズンと一つの衝撃があたりに響いた。
 その衝撃は数分ものあいだ続く。地震かと最初は思われたがあまりにも不規則なため次第に人の手によるものだと分かった。

「な……なんですか……これ」
「き、気にするんじゃねえ! いいな、分かったな、突っ込むんだ! 前へ前へ前へっ!」

 ラムダの指示通り、前線はナツメの誘導に従うかの如く前へ前へと詰めていく。
 この謎の衝撃は一時間にわたって続き、隊長や下っ端たちの不安の種となった。

―午前6時13分 エンジュよりの池縁―

 十分に惹きつけたと判断したナツメはすぐにポケモンたちを戻す。

「あとは頼んだわよ……」

 とだけ小さく呟きナツメはテレポーテーションを用いてチョウジ寄りの河原まで瞬間移動した。この時点でナツメの手持ちは壊滅状態で、30体のうち28体が瀕死するという大損害を被っていた為、空き時間を用いてポケモンセンターで回復を行う。
 下っ端や前線を指揮する隊長たちはどうにも解せなかったがとにかく前へ行くようとの厳命が下っているため、水や飛行ポケモンを用いて池渡りを敢行する。
 が、池を渡って暫くすると、突如暴風雪の餌食になった。言うまでもなくヤナギの策である。
 零下40度の氷雪の前に前進命令が撤回されるまでの間になんとか突破しようと試んだ敵方の4割がこの餌食になり瀕死した。

―午前6時50分 スリバチ山入口付近―

 ヤナギはブリザードを出しているマンムーとトドゼルガの背後に立ち、これからの作戦について話していた。
 敵方だとあれほど恐ろしかったあの技が味方が使うととても頼もしく思えたレッドであった。

「このブリザードはもってあと8分ほどで消え去る。終わったら敵が来るのを待って私とレッドは前線に出て氷結したフィールドの上で戦う。エリカ女史はアロマテラピーで状態異常を治すなりで後方支援を頼む」
「わかりましたわ」
「あの、ヤナギさん」

 レッドが一つ疑問に思ったことを尋ねる

「何かね」
「氷結したといってもかつては池だった場所の上で戦うんですよね? 万一割れたりしたら一大事じゃ……」
「ブリザードを舐めたらいかんぞレッドよ。この技で池のかなり深い場所……この程度の時間ならばおそらく5メートル下まで氷の層ができておるか
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