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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十二話(上) 列島騒乱
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。ただしそういう問題ではないのですよ。相手は全国のトレーナーから選ばれたエリート中のエリートの集団。エンジュの頃は確かに勝てたかもしれませんがあの時の損害だって決して無視できるものではないのですよ?」

 エンジュシティ占領時のマツバ率いるエンジュ側の抵抗は非常に強く、あの時出動した3万体のうちおよそ6千体が戦闘不能になったと伝わっている。五分の一が瀕死状態になったのだ。

「確かにそうですね……。すぐに回復できたから良かったものの、リーグの力を侮ればとんでもない大怪我を蒙る可能性がありますね」

 ランスが冷静にそう述べた。

「はい。冷静な貴方ならば十二分に理解しているとは思いますが、ランスとアテナが率いる南方攻略軍の敵将は中東の雷帝と恐れられた元アメリカ合衆国の陸軍士官、マチスです。この戦争においては正直に言って理事長や伝説の夫婦とやらがいる第一軍よりも、実戦経験豊富な将校がいる第二軍のほうがよほど危惧すべき存在なのです。心してかかってください」

 リーグの軍勢の構成情報はロケット団の斥候によって既に全て明らかになっていた。
 しかしそれ以上はキョウやその手下たちによって完全に防諜がなされており、各軍の作戦などは一切窺い知ることがかなわなかった。

「ハッ!」

 ランスはしっかりとした声でそう返答する。

「アテナもいいですね。有利な軍勢を使って積極的な行動に出るのもいいですが、熱くなりすぎず時には冷静に動いてください」
「ふふ、大丈夫よ。雷帝だかなんだか知らないけどそんなのは数の論理でボコボコにしてあげちゃうから」

 アテナは余裕たっぷりの笑顔でそう答える。
 アポロは数秒黙した後

「まぁこのくらい正反対なほうがバランスとれていいかもしれない……。今回の一戦にはサカキ様の威光がかかっています。敗北は絶対に許されませんよ。事を起こした以上、我々は栄光に向かってただ進むしかないのです。では、以上」

 アポロはそう言い残して会議室を去る。
 ほかの幹部たちもそれに続いて消えていった。

―同日 午前5時30分 42番道路 エンジュ方河原―

 ナツメはポケモンたちにテレパシーを送りながら黙して指示を下していく。最初の一斉サイコキネシスによって敵勢が多くふっとばされて大混乱に陥ったが20分ほどで立て直し、今は互角の戦いが続いていた。
 ワタルよりそろそろ河原がたへ退くようにとの命が下り、ナツメは手でも合図しながら少しずつ退いて行った。

―エンジュ方ゲート付近―

 この事は東方攻略軍司令官のラムダにも伝えられた。

「おーし、敵は俺らにおじけついてどんどん退いて行くな! この調子でどんどんチョウジまで押していくように前線の隊長たちに伝えろ! 船替わりになる水上ポケモンの用意
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