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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十一話 広がる波紋
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―4月27日 午後6時 エンジュシティ マツバ邸 書斎―
マツバはミナキを呼び出して談笑していた。
「いやー。それにしても良かった生きてて」
ミナキは何よりもそれを喜んでいた。
「生きてたというか生かされたというか……。記憶は消されたみたいだけどどうにか生還できたよ」
マツバは自嘲気味に笑いながら答える。
「記憶を消されたっていうのはとんだ痛手だな……。でも別の考え方をすればそれだけあちらも触れて欲しくないことがあるっていう証だ」
「僕もそう思う。だから一週間くらい前までリーグにどうにか動いてもらおうとエンジュ大学や博士の周辺に探りを入れたんだ」
マツバは表情を引き締めて真剣な様子で話す。
「それで何か成果はあったのか?」
「例のオリエンテーションの被害者に聞きこんで、どうやらあの事件は本当に起こったらしいという事。そしてそれにエンジュ大学、そしてオーキド博士が関与している疑いが濃厚という事がわかった。それと、そのポケモン達がロケット団によって酷使されているらしい事もね」
「うわぁ……想像以上にえぐいことしてるんだな……」
ミナキはその話を聞いて大いに引いている様子である。
「うん……。これが事実だとしたらポケモンの研究や大学そのものに対する信用が失墜するだろうね……。それで、さっき言ったことを証拠と共にこの意見書としてリーグにこの前提出したんだ」
と言いながらマツバは意見書の冊子を机上に出した。
「分厚いな……これ何ページあるんだよ」
ミナキは手に取ってパラパラめくりながらうんざりしたような口調で言う。
「120ページくらいだったっけな……。意見そのものは十ページくらいにまとめてあとはほとんど証拠の資料とかそういうのだよ」
「そうか……。で、リーグは動いてくれそうなのかい?」
「ワタル理事長から直接さっき電話があって、影響が大きすぎるので明日副理事長と協議したうえで最終的な判断を下すという事だ」
「なんじゃそら……まあ相手は一応ポケモン研究の権威と内国のツートップの一角を占める大学だし仕方ないのか」
「正直取り合ってくれただけでも儲けものだと思っているよ。世間では良い博士として名が通っている人だし……話の分かる理事長で助かった」
マツバは安堵している表情でそう話す。
「そうだな……。そういえばさ、例の二人はどうなっているんだ?」
ミナキは話題を切り替えた。
「例の二人ってレッド君とエリカさんの事?」
「そうそう。何か進展あった?」
「ああ、どうやらあらぬ所から僕がエリカさんに恋していることがレッド君にばれてね……決闘を申し込まれたよ」
マツバは10日ほど前の出来事を思い返し、先ほどよりは表情を崩しながら話
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