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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十一話 広がる波紋
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は確か第二軍でしたか?」

 エリカは記憶をたどって思い出したかのように話す。

「そうそう。あーそういや司令官が確かマチスとかいう外人のおっさんでな、着いて作戦会議でもやるんかと思うたら早速コガネデパートのビアガーデンでバーベキュー始めよってな……もーしんどぅてたまらんかったわ」
「そういう賑やかなの好きなお方ですしね……。外国生まれの方はどうも気質の違いに苦労致しますわよね」
「気質どうこうどこやないわ! もう戦争なんか知らんぷりな態度でずーっとどんちゃん騒ぎ。ウチは寧ろこういうの好きな方やけどどうにもついていけんで早引けしたんよ……」

 アカネは先ほどまでの高揚とは打って変わってうんざりしたような口調で話す。

「アカネさんのように陽気な方でも参ってしまうほどですか……それはほかの方々も難儀するでしょうね」
「同じ国ならまだな、話も通じるからまだ盛り上がるんやけども、あの場合は片言でぐいぐい絡んでくるからかなわんわ……。もう皆呆れてポケセンにUターンよ。今はクチバからついてきた取り巻きとしか盛りあがっておらへん。あーあ、あんなけったいなもんの下で戦うとか荷が重いわ。ワタルはんもなんであのオッサンを軍人だかなんだか知らんけど司令官に選んだんか納得でけへんわ」

 アカネは大きくため息をついている。

「お気を落とさずに……。それで、アカネさんの嬉しかったこととはなんですの?」

 エリカは本題に戻す。

「あぁすまへんな話が脱線してもたわ。そんで、ウチの嬉しかった事言うのは、ツクシがウチらと同じ所にいたんよ!」

 アカネはジェットコースターのごとく気分を高めて話した。

「あら、そういえばそうでしたわね。このような事態になった以上少しでも多く人手が必要でしょうし不思議ではないですわ」
「なんやリアクション薄いなー。まぁええわ」
「それにしても良かったではないですか。これで接触する機会が生まれますわね」

 エリカは少しだけ嬉しそうに言う。

「ん……ま、せやけどな。もうあれっきりや思うたんが棚から牡丹餅やで! ワタルはんも粋なことしてくれはるわ」
「別にワタルさんはそういうつもりで布陣したわけではないと思いますが……。それで、何かツクシさんにはアクションを起こされたのですか?」

 エリカがアカネに尋ねる。しかし、彼女は言葉を詰まらせてしまう。

「まだ何もされていないのですか? あれほど残念がっていらっしゃいましたのに」
「い、いや挨拶くらいはしたで。ただ……一回告ってしかも時間も空いたさかいどうにも先に進むのが気恥ずかしうてな……」

 アカネは珍しく後ろ向きな事を言った。

「アカネさんらしくありませんね……。コガネで初めて貴女の恋情に気付いたころも思いましたが意外に
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