暁 〜小説投稿サイト〜
伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十一話 広がる波紋
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ではかなりの距離がありますわ。予断を許さない状況下であまり時間はかけられないのでは?」
「うっ……そこなんだ。この作戦の痛いところは……。この地図によればいかりの湖からスリバチ山まではだいたい20q。結構な大仕事だし、時間もかかるし……うーむ」

 ワタルは腕を組んで考え込んでしまった。
 そこでタケシが手を挙げる。

「あの! 俺にその仕事任せて貰えないでしょうか。岩ポケモンならば疎水工事も楽々ですし、大いに期間を縮めることが出来ると思いますが」
「ふむ……だいたいどのくらいで出来そう?」

 ワタルは関心を持ったように尋ねる。

「俺のポケモンを総動員すれば三日ほどで出来ると踏んでます」
「おお! これは頼もしいね。三日くらいならどうにか時間稼げると思うし……。頼んだよ」
「はい。任せてください」
「しかし……運河の問題はこれで良いとしても、もう一つ問題があると思うわ」

 イブキが問題を提起した。

「うん?」
「堰を切った時、とんでもない量の水が池にまで流れ込むんでしょ? 下手をすればスリバチ山もそのせいで一部が崩れちゃったりするんじゃない?」
「そこは私が何とかしよう。スリバチ山ごとまもるの結界で防護し、影響を受けないようにする」

 ヤナギがそう提案する。

「うん……イブキの言うとおり、スリバチ山もこの影響で一部、もしかすれば全体が削れる可能性がある。だからヤナギさんの支援は勿論。出来る限り外側に運河を作らないといけない。タケシ君もその辺りに留意するように」

 この後も作戦会議は続き、19時過ぎに漸く終了した。

―19時30分頃 同所 209号室―

 二人は休息の為自室に戻る。

「ハァ……何もしてないけど疲れたな……」
「ああいう場は息が詰まりますものね……分かりますわ」

 エリカはレッドに頷きながら同調する。

「お腹も空いたな……。エリカ、今日の晩御飯は?」
「あ……まだお買い物も済ませておりませんでしたわ……。本当今日はあわただし……」

 そうこう言っているとエリカのポケギアが鳴り響く。
 
「はい、もしもしエリカですが……」

 彼女はすぐさま出た。

「エリカ? ウチウチ。アカネやで」
「ああ……アカネさんですか。何の御用ですか?」
 
 エリカが尋ねるとアカネは高揚した調子の声で喋り始める。

「あんな、めっさ嬉しいことがあったんやで! 聞いてくれな!」

 煩わしくなるくらい喜びの感情が伝わってくるような声で彼女はエリカに言う。

「ええ……何があったのですか?」

 エリカは少々気圧されながら尋ねる。

「へへ、さっきワタルはんから戦争の布陣の話があったやろ?」
「ええ。御座いましたわね。アカネさん
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