暁 〜小説投稿サイト〜
伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十一話 広がる波紋
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シティ占拠の件について延々と報じている。

『……繰り返します。きょう午後二時三十分頃、エンジュシティがロケット団によって占領されました。付近の住民の方々は速やかに近くの街に避難してください。これを受けてポケモンリーグは限定総動員令を発動し、事態の対処にあたる姿勢を示しました。日本政府は緊急対策本部の設置を緊急の閣議で決定し、エンジュ市民の食糧確保や衣料品の支給など諸事の支援政策の立案及び執行を行うとの事です。近隣のコガネシティ、キキョウシティ、チョウジタウン、アサギシティは避難民の受け入れを表明しました。具体的には体育館やホールを開放し、避難場所として提供。生活支援を行う指針を示しました。尚、自衛隊の介入等について日本政府は当面ポケモンリーグに任せ、動静を見守る所信を表明しました。尚、これに係るロケット団の声明はこの通りです』

 ―本日、ロケット団は先年の雪辱をすすぎ、サカキ様を迎えこの通り復活を果たした! 我々が望むことは前年我々に耐え難き侮辱を行ったポケモンリーグの速やかな全面的解散である! これが実現されなければ我々に従わぬ物として近隣の市街への侵攻及び人質の命を亡き者にすると思え。―

『尚、警察庁の発表によりますと人質としてエンジュシティジムリーダーのマツバ氏、ジムリーダー予備役の舞妓のタマオ氏を筆頭とする5名。他に逃げ遅れたエンジュシティの市民が10万人ほどと推測されるとのことです。しかし詳細は情報が不足しているため不明とされており、これより更にリーグと連携しつつ調査を進め明らかにしていくと発表がありました』

 ポケモンセンターの中はエンジュシティに居る親類や友人などに連絡を取る人やこれからについて打ち合わせに来た人などでごった返していた。

「とんだ一大事になったな……」

 着いた頃の平穏とは打って変わった人々を見てレッドはそう言った。

「ええ……それにしても一日足らずで一つの街を占領するなんて前代未聞ですわ……。手際の良さといい相当かつ慎重な準備があったのは明白ですね」
「マツバさんの言ってたことがまさか現実になるとはな……。これから一体どうなる」

 レッドが言いかけた所でエリカとレッドのポケギアが鳴り響く。
 
「はいもしも……」
「これは緊急用の一斉連絡の為、一方的にこちらが話す。何か質問や意見があれば別途リーグにまで連絡するように」

 ワタルがそう初めに言う。
 二人とも少しだけ恥じる。

「これより、エンジュシティの周りを取り囲む布陣を発表する。まずエンジュに繋がる三つの道路に陣を敷くことにする。まず第一軍として……」

 ワタルの決定した事は以下の通りである。
 第一軍(東方部隊。本拠 チョウジタウン)→ワタル(総司令官)、ヤナギ、レッド、エリカ、イブキ、ナツメ、
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