暁 〜小説投稿サイト〜
伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十一話 広がる波紋
[5/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
襲いかかってきた。
 マツバは指示を出しつつ羅城門から退こうとは全くしない。

「リーダー。これ以上の救出は不可能です。今なら敵もそこまで迫っておりませんし、ご学友のおられるコガネシティにでもお逃げください!」

 最早残り数人となったジムトレーナーの一人がそうマツバに進言する。
 避難用として広くとっていた防衛線も崩壊し、ロケット団のポケモンはマツバやジムトレーナーたちのポケモンの反撃を受けながらも確実にマツバたちのもとにまで迫っていた。
 古の都はいよいよロケット団の手に堕ちてしまったのだ。

「気持ちはありがたいが僕にはエンジュのジムリーダーとして市民を最後まで救う義務がある。まだ多くの人が逃げれていないのに僕一人がおめおめと逃れる訳にはいかないんだ」
「そんな……もし敵方に捕まれば何をされるのか分からないんですよ!?」
「フ……。敵はもともと僕一人、もっといえばこの天より授かりし眼を欲しているよ。仮にもジムリーダーの僕が敵陣に簡単に降るわけにもいかないから今までこうして戦ってきたが、僕一人さえ捕らわれれば敵も本気でほかの街を取りにはいかない」
「どうしてそんなことがわかるんです?」
「そうでなければわざわざこの街を反乱の拠点には選ばないさ。長らくどうしてこの街をこの拠点を選んだのか合点がいかなったけど……。そう考えれば全て納得でき」

 言いかけたところで一人の水色の髪をした白い制服を着た青年が颯爽と前に出てきた。

「ご明察です。流石は私と同学なだけありますね」

 マツバは当初面食らったがやがて感づいて

「貴方はまさか……。ねずみ講まがいのことを構内でやって八千万を詐取した後行方をくらまし、エンジュ大学を除籍にされたと噂のアポロ……?」
「よく御存じで。さて、我らの主より貴方を捕えるようとの命が下りました。ご同行願いましょうか……。そこの門より逃げるというならどこまででも我々は追いかけますよ」

 アポロの背後には万を優に超えるポケモンの大軍が虎視眈眈とマツバを凝視している。
 マツバは残った最後の一体で抵抗を試みんとモンスターボールを手にするが

「おっと。この状況を見てもまだお分かりになりませんか? 最早貴方方の敗北です。それでも手向かうというならこちらも容赦しませんが、宜しいのですね?」
「くっ……ここまでか……」

 刀折れ、矢尽きる。マツバ及びトレーナーは投降し、ロケット団の軍門に降った。
 こうしてエンジュシティは4時間余りでロケット団の手に堕ちたのだ。

―――――

―午後4時頃 フスベシティ ポケモンセンター―

 イブキは戦闘準備の為ジムに戻り、二人は指示が出るまで休息の為ポケモンセンターに留まった。
 広間のテレビは臨時ニュースという題目でエンジュ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ