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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十一話 広がる波紋
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近―
エンジュジムにはジムリーダーのマツバのほかに舞妓の代表として長女のタマオと何人かのジムトレーナーが居た。
ほかの舞妓やトレーナーたちは市民の保護と周囲の防衛にあたっている。
リーグに救援を求めようとしたが基地局やゲートは即座に占領され、情報の送受信を強制的に停止させられた為、エンジュ及び付近の通信網は壊滅した。
スズの塔やカネの塔の存在も危ぶまれたが僧侶たちの奮戦とそこまで敵方も執着しなかったことが功を奏し、北部に居た人々は大体寺内に避難している。
「本来なら元凶であるエンジュ大学を叩きたいところだが……圧倒的に此方が不利な以上、市民の避難を第一に考える」
マツバはそう自身の方針を述べる。
「寺院方と連携する事はどうにか出来ないでしょうか……?」
ジムトレーナーの一人が提案する。
「そうしたいのは山々だけどね……。もうすでにここと両寺の間は敵によって分断されている。それに寺院方も防衛に懸りきりでとても手助けはできないと先ほど書状が来た」
それを受けて舞妓方が口を開く。
「そやけどマツバはん。そうとしても今、三っつのゲート全てが封鎖されてはるさかい、どこか一つに限らんと数が数なだけなんも出来のうなるんは必至どすえ」
「タマオさんのいう通り、ここはどこかに絞らないといけない。僕としてはキキョウやコガネに避難できる南側のゲート、羅城門を出口として確保したいと思っているんだけど……どうかな」
マツバはトレーナーや舞妓たちに尋ねる。
「いい案ですが敵もそれを察知していて、南側の警戒を特に強くしています。被害がいたずらに大きくなるのでは……」
ジムトレーナーがそう提言した。
「そんなのは覚悟の上だ。どこのゲートもそれなりの警戒がしかれているだろうし、こうなればより効果の大きい場所に活路を見出すしかない。外部からの援護が期待できない以上非常に苦しい戦いになるだろうがエンジュ……引いてはジョウト、全国の為ここは耐えるしかない」
「そうおすな……。こうしとるあいさにも敵は迫っておるしはよう作戦を立ててどうにかせんと」
という訳で、エンジュ市民の避難を優先的に行うこととした。
ジムの前に防衛線を作り、その枠内に避難民を集めマツバを先頭に羅城門までの道を切り開くことにした。
―その頃 エンジュ大学 学長室―
「いよいよだのう」
事の首謀者、オーキドが目下にいる逃げ惑う市民たちを見ながらそう呟く。
「敵は通信網を破壊され孤立無援。如何にジムリーダーや舞妓たちといえど、この大軍の前にはやがて屈するしかないな」
ロケット団はオーキドの協力もありつつ総計で10万を超える改造ポケモンたちを手中におさめ、その一部を実験台の如くエンジュ市街に解
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