暁 〜小説投稿サイト〜
伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十一話 広がる波紋
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後に少しだけ頬を緩ませる。彼女はふと腕時計を見てだいぶ時間が経ったことに気づく。短針は8のところをさしていた。

「あら、もうこんな時間……。アカネさん申し訳ないのですが本当にそろそろ……」
「ああ、すまへんね。ほなさいなら」

 こうしてアカネとの通話は漸く切れた。

「本当、コガネの方はお話が大好きですわね……。申し訳ありません貴方、これからお夕食買い出しに行ってまいりますわ」

 彼女はレッドに陳謝しながらそう言った。
 レッドは途中から手持ちの整理や世話をしている。

「まったくアカネさんにも困ったもんだな……。分かった俺はエリカの分まで世話するから行ってき……」

 レッドが言いかけたところで二人のポケギアがまたも同時に鳴り響く。
 さすがに二回目なので二人とも取った後何も返さなかった。

「これは緊急用の一斉連絡の為、一方的にこちらが話す。何か質問や意見があれば別途総司令官のワタルにまで連絡するように」

 どうやら第一軍内の緊急連絡なのかリーグからワタルに読み替えられている。

「たった今、ロケット団側より交渉決裂が宣告された。これにより、いつ侵攻が開始されてもおかしくない状況になった為、大変疲れているとは思うが大至急43番道路まで移動していただきたい。先ほど話した作戦の詳細を今一度確認する為集合が完了し次第、もう一度作戦会議を行う」

 その後、集合場所や時間などの諸連絡を行って通信は切れた。因みに先ほどの作戦会議で業務用のワタルへの連絡先は伝えられている。盗聴を防ぐためにプリペイド方式のポケギアを新たに購入したようである。
 レッドは夕食の時間が先延ばしにされた事を不快に思ったがやむを得ず堪えた。

―午後8時30分 43番道路 大テント内―

 ジムリーダーたちは着の身着のままでポケモンセンターを出て43番道路へ向かった。
 さすがに暗い中本陣予定地のスリバチ山まで行かせるのは酷に思ったのか道路に入って数分もしないところにワタルがあらかじめテントを立てており、ここが緊急設営の会議室となった。
 タケシは最初の作戦会議終了後すぐにいかりの湖まで飛んで行って、運河の工事を開始している。
 ワタルはこうなったのは自らの力不足が原因であると陳謝したのち、切り替えて作戦について再確認を行う。
 先ほどワタルが大いに書き込んだマップを机の上に広げた。

「カイリューが空中から偵察したところによると、まだエンジュのどのゲートにも敵は集中していないという。だから恐らく攻撃の開始は早ければ翌日の夜明け、遅くとも朝までには行われると考えられる。先遣隊のナツメ君は今夜のうちにエンジュ側の原で野営していてくれ。一人で心細いかもしれないが、足の速くて強力なポケモンを多く有しているのはこの中では君し
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