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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十話 春の嵐
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―4月28日 午後1時 セキエイ高原 ポケモンリーグ 理事長室―
ポケモンリーグの最上階に位置する一室。理事長室。
ここには全国のポケモンリーグの頂点に君臨する理事長、即ちチャンピオンが鎮座し執務を行う部屋である。
今ここには理事長であるワタルの他に副理事長のシロナがいた。
「理事長、火急の用とのことで参上致しましたが本日は何の御用ですか?」
シロナは突然の召集に当惑気味である。
ワタルは重々しい様子で口を開く。
「うん……。まずはこれを読んでほしい」
ワタルはシロナに100ページ以上に渡る意見書と題された分厚い書類を手渡す。
「これ程分量がある書類でしたらメールなり郵送なりで事前に渡してほしかったのですが」
「いや、これは外部に絶対漏れてはいけない情報が詰まってるんだ。まぁ読めばわかるよ」
「確かに所外秘とは判が押してありますが……。愚痴を言っても始まりませんし、読ませていただきます」
シロナは一旦副理事長室に戻ってワタルから手渡された書類を精読した。
一時間後、彼女は鬼気迫った表情でワタルの下に戻る。
「これ……本当の事なのですか? とても信じ難いのですが」
「ああ、僕も初めてこれを読んだときは仰天したよ……。これが事実だとしたら間違いなく天地がひっくり返ったような事態になるだろうね。で、君はどう思う?」
意見書の内容はマツバが書き著したオーキド及びロケット団による悪行の疑惑の数々とそれに関しての監視権を行使したエンジュ大学の精査を要求するものであった。
「私としては断固として監視権を行使すべきだと思います。よく調べられていますし、状況証拠に立脚したものとはいえそれなりに説得力のある論ができていると考えます。疑うに足る証拠は揃っておりためらう余地は無いかと存じ上げます」
シロナは確信を以て自身の意見を述べた。
「やはり君はそう考えるか……」
「理事長の考えは違うのですか?」
「うん……。確かに君の言うとおりロケット団の悪行は明らかだし、調べる余地は多くあると思う。でもね、相手が相手だ。もし調べて何もなかった場合研究会との関係が険悪になってしまう」
オーキドはリーグと良好な関係を結んでいるポケモン研究会の会長である。
研究会とリーグはポケモンの生態や分布、その他ポケモンの研究に関してのデータを買っており、それは全トレーナーのポケモンの捕獲や育成論形成に大いに役立っている。
これらが関係悪化によって停止すればリーグの運営に大きな支障が生じる可能性があり、ワタルとしては是非とも避けたいところであった。
ヤナギとオーキドの仲は諸事情から非常に険悪だった為、ヤナギが理事長だった時代は一切関係が結ばれなかった。しかし、21世紀に入り先代理
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