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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十話 春の嵐
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「あれ前にもこんな事あったんですか?」

 レッドは長老に尋ねた。

「左様。この前はゴールドという少年が来ての……」

 長老は手短に、ゴールドが来た時の話をした。

「なるほど。大変そうですわね……」

 エリカは、息をついた後、長老を労る。

「なぁに、ワシとしてもイブキを破った人間は興味がないわけではないからの。さて、お主等には愚問かもしれぬがわしの尋ねる3つの質問に二人は答えてもらおうかの」

――

「ウム、素晴らしい!二人とも合格じゃ!」
「有難うございます!」

 すると、イブキがちょうどドアを開けてやってきた。

「結果はどうだったかしら? え!? 合格? そんな……わ、私もまだ認めてもらってな」
「こりゃイブキ!この者たちも技、心。共に見事なものじゃ!観念してさっさとライジングバッジを渡さぬか! さもなくばこの事をワタルに」

 長老からワタルという単語が出た瞬間、イブキはすぐに(かしこ)まって

「わ……分かりましたわ。ほら、これがライジングバッジよ。さっさと受け取りなさい!」

 イブキは二枚ライジングバッジを渡す。

「ありがとうございます!」

 二人は深々と頭を下げた。

「はぁ……とても信じられないわ。まさかあんたたちまで長老に認められるだなんて……」

 とイブキ言いかけたところでまた一人、小間使いがドアを少し開けて入ってきた。

「あの。イブキさん……あ、お二人も。リーグ委員の方が緊急で伝えたいことがあるとのことで入口で待たれています」
「え?」

 そういう訳で三人は急いで龍の穴の入り口まで戻る。

―午後4時 フスベシティ 龍の穴入口―

 三人が姿を現すと、委員は人払いを願った後、挨拶もそこそこに本題を切り出す。

「一大事が起こりました。エンジュシティがロケット団に占拠され、ポケモンリーグに対して宣戦布告を行いました! 理事長は限定総動員令を出し、ジョウト中のジムリーダーに関してはすぐさまジムに戻ってリーグからの指示を待つように、カントーのジムリーダーに関しては即座にリーグへ馳せ参じるようとの事です!」
「ええっ!? な、何よそれ」

 イブキは前代未聞の事態に大きく動揺している様子だ。

「あの……カントーのジムリーダーはリーグへ赴くようとの事ですが私もですか?」

 エリカは委員に対しそう疑問をぶつけた。

「いえ、お二人に関してはジョウト地方に居ますから他のジョウトのリーダーと同じく指示を待つようにとの命が下っております」
「さ、左様ですか……。それにしてもとんでもない事態になりましたわね……」
「と、とにかくまずはポケモンセンターに行くわよ! これから忙しくなるだろうし、しっかりポケ
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