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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十話 春の嵐
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ジを渡すに相応しい人たちと認めてあげるわ!」

 レッドは、勝手な事するなと思ったが、バッジを獲得するには致し方無いと、イブキの言う事に従うのであった。
 こうして二人は龍の穴へと向かった。

―龍の穴―

 龍の穴。ミニリュウが生息する珍しい場所として、フスベにドラゴン使い達が集う第一の理由となる場所である。非常に貴重な場所な為、一般人の立ち入りは厳禁されており、入る為にはドラゴン使いになるか、守護者であるイブキに勝つしかない。
 さて、龍の穴に辿り着き、池を目の前にしてエリカは感傷に浸っている。

「ここがあの龍の穴ですか。なんだか、おどろおどろしい場所ですけど……、なかなかに風情がある場所ですわね」
「ま、とにかくほこらまで行こう」

 という訳で二人は波乗りをして、祠の真後ろにたどり着き、桟橋がそこにあったので、いったんそこで降りることに。

「あれがほこらかな?」
「朱色の高欄に、茶褐色の擬宝珠(ぎぼし)……、それに加えて瓦葺(かわらぶ)きの社殿…、確かに祠ですわね」

 レッドはお前は何を言っているんだという表情をしていたが、最後の祠という単語で、なんとか理解できたようである。

「あー…ほこらね、ほこら……。にしてもどこから行けばいいんだ。ここからだとドアらしきものもないし……」

 そんなことをレッドが言っていると、エリカは、社殿の軒下に赤毛の少年が居ることに気が付いた。

「あの赤毛の人に聞いてみましょう。卒爾ながらお尋ね申し上げますが……」

 エリカは古めかしき言葉で、その少年に話しかけた。
 少年は意味が分からなかったのか、少しだけ戸惑っていた。しかし、彼はすぐに威儀を正して、なんとも攻撃的な声調で返事をする。

「何だ?……ってまさかお前ら!」

 お前とかジムリーダーに対して言う事かよ、とレッドは心中で思っている。
 しかしエリカはそんな事も気しなかったように、声の高さを少し上げ、おどけたように言ってみせた。

「あら、シルバーさんでしたか」
「知り合いなのか?」

 レッドは不思議に思い、尋ねた。

「ええ、私のジムに挑戦されましたわ。とてもお強い方でしたけどポケモンの扱いがぞんざいで……」

 とエリカはレッドに言ったが、シルバーはなんの気無しに

「当たり前だろ、ポケモンは戦う道具だ」

 エリカはその言葉に鋭敏に反応し、冷淡に

「まるでロケット団のような言い草ですわね」
 
 と返す。
 ロケット団という言葉に反応したのか、急に口調を強め、

「その組織は口に出すな……! 胸糞悪い。おいレッド! 俺はシルバーという最強のポケモントレーナーを目指している男だ! ……俺と戦えっ!」
「態度が気に食わないが……まあいい
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