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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第九話 厳冬の果てに
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が良い」
ヤナギは二枚のバッジを二人に手渡した。
「ありがとうございます!」
レッドとエリカはほぼ同時に深々と頭を下げる。
漸く勝ち得たバッジなので、二人は感無量な様子である。
「二人はまだまだ若く春秋に富んでいる。これからの旅においてもより経験を積み、次代を担う立派なポケモントレーナーとなるのだぞ」
その後、二人はジムを後にした。
―同日 午後3時30分 チョウジタウン―
二人はジムを出て、ポケモンを回復させるためにポケモンセンターへ向かっていた。
「漸く勝てたな……。ジョウトもあと一つか」
「ええ。早いものですわね。それにしても一ヶ月の修行が報われてとても心が晴れ晴れとしていますわ」
「ああ。渾身で考えた技を二つとも看破された時はどうなることかと思ったけどな」
「はい……。あの時ばかりはここまでかと流石に諦めかけましたわ」
やはり彼女も相当に追い詰められていた様子であった。
「でもやっぱり諦めないで必死にやればどうにかなるものなんだな」
レッドはそう確信を持った体で力強く言う。
彼女はその後急に黙ってしまった。不審に思ったレッドは尋ねる。
するとエリカは数秒おいて答えた。
「あの……貴方に謝らなければならないことがあるんです」
「なんだ?」
そこからまた彼女は数秒おいて言う。相当に勇気を振り絞ってるようだ。
「実を言いますと、貴方にはずっと隠していた事があるんです。これまでは貴方が……その私の伴侶に相応しいかどうかを見る為に少しだけ色をつけて貴方と話していたり、貴方に非協力的な態度で接していました」
「え!?」
レッドは全く気付いていなかった様子だ。一番好きな人と旅に出ていた訳であり、あまりそういったことに気が回らなかったようだ。確かにエリカの心情が読めなくて困惑したことが多々あったがこのような真意があったとは思えなかった。
「私が本当に男性に求めることは教養や頭の良さといったことよりも何者にも屈しない強靭な精神と強さをもっている事です。貴方と一緒に旅をしてから2カ月余り、レッドさんにはそれがしっかりと備わっていることがよく分かりました」
「一つ聞いていいか」
レッドがエリカに尋ねる。
「何ですの?」
「どうしてそれを今言おうと思ったんだ」
「あの……私としましてはこれからは肝胆相照らす包み隠さない夫婦として旅を進めていきたいのです。ですから、ここでしっかりとけじめをつけておこうと思ったのですわ」
「そうか……そういう事か。つまり俺はエリカに夫として認められたということか」
「はい。貴方を試すような真似をして大変申し訳なく思います。これからは本当の夫婦として生きていきたいと切に思ったからこそこうして
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