暁 〜小説投稿サイト〜
伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第九話 厳冬の果てに
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 推進力を得た熱風は上昇気流を形成し、雲を作り、やがて雪をも溶かす大雨を降らせた。
 暴風雪から暴風雨へと形をかえ、熱風の温度が伝わったことによってあっという間に蒸発。追い風から10分ほどでブリザードは消え失せた。
 そして、熱風はそのままマンムーとトドゼルガを()きにかかり、マンムーは8割削れ、トドゼルガは6割程削れた。
 ヤナギは最大の奥の手を崩されて意気消沈かと思いきや、高笑いをしてみせ

「カーカッカッカッ! ブリザードを破りおうたか! 面白い、ポケモンバトルはこうでなくてはならぬわ。押しつ押されつの応酬こそが醍醐味よ! だがの、この程度で折れるほど私は老いぼれてはおらん、マンムー。ダーテングに雪なだれだ」
 
 ダーテングに雪玉の山が崩れかかり、倍加した威力の前に一たまりもなく倒れる。
 これでエリカの手持ちが全滅し、残るはレッドのリザードンのみとなった。

「エリカ……。よく頑張ってくれた。いくら礼を言っても足りないくらい感謝してる」
「いえ。妻として当然のことをしたまでですわ。それよりも、今は目の前の事に注力してください」

 
惚気(のろけ)ている暇はないぞレッドよ。トドゼルガ! とどめを刺せ、リザードンにハイドロポンプだ!」

 トドゼルガは大量の水をリザードンに衝突させようと試みる。
 しかし、リザードンは寸でのところで回避した。

「リザードン! トドゼルガに大文字だ!」

 レッドはもはやヤナギに問大文字は通用しないと判断し、一致の水技を覚えているトドゼルガに照準を定める。
 トドゼルガは大文字の炎に焼き尽くされ、猛火が発動していることが功を奏し遂に倒れた。

「最後か……。よくぞここまでやったものだ」
「そりゃあどうも」
「だが、どちらのポケモンも満身創痍だの。ここで決着をつけようではないか」

 ヤナギからの提案にレッドはすぐに

「そうですね……。行きますか! リザードン! 熱風だ」
「マンムー! リザードンにストーンエッジ!」

 2匹は同時に攻撃した。
 マンムーの鋭利な岩石とリザードンの熱風が衝突し、数分もの間拮抗する。
 その瞬間、ジムの空間は静かな熱気に満ちた。
 やがて、拮抗は崩れる。あろうことか岩石がマグマ状に溶解し、下に落ちていったのだ。
 そのまま熱風はマンムーに襲い掛かり、断末魔をあげながらマンムーは倒れた。

「やった……」

 マンムーが倒れた瞬間、レッドには大きな喜びが駆け巡った。
 言葉よりも、苦労が報われたことに対する感情が強い。

「うむ、見事な戦いぶりであった。捲土重来を見事に果たしたの。君たち夫婦のその比翼連理ぶりならば、どのような困難も乗り越えていけるであろう。よし、このバッジを持っていく
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