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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第九話 厳冬の果てに
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行についてきてくれたポケモン達と……ヤナギさんどころかミカンさんに負けたときも俺を見捨てず側で支え続けてくれたエリカとを……裏切るような真似はしたかないんだよ。だからこそ俺はここで勝たなきゃならないんだ!」
 
 その言葉を聞いた途端彼女は瞳孔を収縮させ、すぐに顔をレッドから背けた。

「ん? どうした」
「い、いえ……。さ、左様ですわね。ここで諦めてしまったら全てがご破算になってしまいます。どうにかしてこの状況を打破しないことには先に進めませんわね」

 レッドからは見えてないがエリカは顔を真っ赤にして冷や汗をかきながらそう答えていた。
 どうにかこうにか冷静そうに取り繕っているのは流石と言うべきか。

「そうだな……エリカ。お前のギガドレインとかも使えなさそうか?」
「無理でしょうね……あの技は対象が特定できないと意味がないですから」

 レッドとエリカの眼前にはそれぞれの手持ちとごうごうと吹き荒れる暴風雪しかない。
 マンムーもトドゼルガも影すら見えない有様である。

「うむむ……完全に万事休すだな。基本的に自己強化系の技しか使えないという事か」

 そうこうしているうちにトドゼルガとマンムーのダブル吹雪が襲い掛かり、ルンパッパはどうにか体力をごく僅かだけ残し、カメックスは倒れた。
 残り三対二。有利だったのがあっという間に互角にまでもつれこまれた。
 しかもこのまま進めば二ターンもあれば全滅するのが目に見えている。
 レッドの残りのポケモンはリザードンのみ。前回と同じ状況。リザードンが倒れれば敗北は確定的である。
 最後の切り札としてレッドはリザードンを繰り出した。

「試しに一度やってみるか……。リザードン! マンムーに問大文字だ!」
「了解! 問題、瀬戸内海に浮かぶ……」

 しかし、問題を言い終わる前に

「甘いっ! トドゼルガ! リザードンにハイドロポンプだ!」

 その瞬間、左側のブリザードが切り開かれ、その部分から大量の水流がリザードンに直撃した。
 一瞬できたと思った空間はすぐにとざされる。
 どうやら敵方が攻撃するときだけブリザードに隙が出来るようだがあまりにも迅速な為これを突くことは難しいだろう。
 その前にポケモンがどこにいるか推定はできても特定ができるわけではない。
 直撃を食らう寸前にリザードンは一か八かとばかりに大文字をブリザードに放った。1mほどは勢いよく進んでいったがすぐに推進力を失い、風と雪にかきけされてしまった。

「くそっ、ダメか……」
「甘いのうレッド君。ポケモンに油断させてその隙に技をかけるというのは常套手段のうちに入るが……。この程度の小細工で厳しき冬を凌げるとでも思うたか。君たちより長くたたかってきた中で同じような手段を使ってきたト
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