暁 〜小説投稿サイト〜
伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第九話 厳冬の果てに
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正念場に勝負は差し掛かっていた。

―同日 午後0時30分 同所―

 この頃、ヤナギ側は漸くユキメノコがルンパッパのギガドレインで吸い取られきられて倒れ、ヤナギ側には他にユキノオーがいた。ルンパッパは前述の技ややどりぎのおかげでほぼ無傷。だがカビゴンの残り体力はわずか五分の一である。(このねむるは二回目で、現時点では起きている。ちなみに食べ残しをもたせている)
 一方でヤナギのユキノオーは二ターンほど前にでてきたばかりで無傷同然の上に根を張っている為常に回復できる状態である。
 天候はヤナギのワンサイドゲームを防ぐためにルンパッパによってにほんばれ状態にはしてある。残り二ターン。

「この私のポケモンをここまで倒すとは、この一か月間遊んできたわけではないようだの」

 レッドは内心穏やかではない。
 確かに前回に比べてやや有利な戦況ではあるが、それはまだヤナギが前回の切り札になった例の二匹を出していないからだ。いや、そうでなくてもユキメノコやマニューラに関しては前の実力では倒すことはできなかった事は明白であるし、現況でもかなり精神を削った末の勝利である。
 ここでまた前回のように切り札を出されたときに逆転されるのではないかという大きな不安が頭をもたげていた。
 エリカの方も心境はほぼ同じのようで、序盤の時よりも考える時間が増えていたし作戦を話した時も何度かそのことを懸念していた。
 が、それを敵に気取られてはしまいであるとレッドは思い、なかば無駄と思いつつも言葉だけでも毅然に取り繕う。
 
「当然ですよ。ここでつまずいてたら全国なんてどだい無理ですからね!」
「フ、それもそうだの。では、参るとしよう。行け、トドゼルガ」

 トドゼルガが大きな牙を誇らしげに見せながら悠然とその場に姿を現す。前にも見たとおりかなりの貫録である。
 前回では素早さの差で負けてしまったが全体的にレベルを大きく上昇させた今、その心配をする必要はないが、今出ている中にはカビゴンがいる。カビゴンの素早さは種族値でいえばトドゼルガを大いに下回っているのだ。

「カビゴン! ねむ」

 レッドが言い終わる前に、ヤナギが技を指示する。

「トドゼルガ、絶対零度だ」

 命中率はトドゼルガとは2レベルほど差があるため32。レッドは当たらないように切に願ったが……。
 数秒後、カビゴンは氷塊と化していた。マニューラを葬り、ユキノオーやユキメノコの度重なる猛攻にも耐え抜いた彼は遂に切り札の一撃必殺技の前に散った。

「な……なんてことだ」

 一撃必殺技があたるとこんなにも悔しさがこみあげるものなのかと、レッドは数か月前に自らがハヤトにした事を少しだけ後悔した。

「私はあまりこういう技は好かんのだがの……。そろそろ君たちの切り
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