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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第八話(下) 赤き心は挫けない
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 言いかけたところでレッドが風呂から出た。

「あ、レッドさんがお風呂から出られました。切りますわね」

 そう言ってエリカはナツメとの通信を切った。

―30分後―

 変わって今度はレッドがグリーンに電話を掛けた。
 軽く挨拶を交わしたのち、グリーンから本題を喜々とした風に切り出す。

「で、どうだった? 俺の作戦は」
「ああ。思いっきり引っぱたかれたよ……すごく痛かった」
「そうか。俺の目論見違いだったか。大変な目にあったな」

 グリーンは言葉こそ同情している風だが、嬉しそうな様子は鈍いレッドでも察知する事が出来た。しかし、今はとりあえず突っ込まないことにした。

「で、どうなった?」
「それでさ、ミカンさんと戦ったんだけど、負けたんだ」
「ほぉ。あのお前がなー」
「お前なんか嬉しそうじゃないか?」
「そんな事ねぇよ。続けろ。なんで負けたんだ」

 グリーンは慌てて声色を正し、先に進める事を促す。

「正直エリカはあの時上の空だったし、連携がうまく取れなかったというのもあるけど、とにかく予想以上にミカンさんが強かったんだよ。まぁ一番は俺がそれに対応しきれなかったことなんだが……」
「へぇ、あのチビガキがねぇ……。ヤナギ爺に集中稽古つけてもらったとかこの前の定例会で言ってたがバカに出来ないな」
「そう。お前も気を付けないと8番目の名が泣くことになるかもな……」
「お前に心配される事はねぇよ。カントー第一のトレーナーがそんな簡単に泣く羽目になってたまるかってんだ」

 グリーンはそうレッドに毒づく。

「そうかよ。それはともかく、その勝負の最中からエリカの調子が戻り始めてさ」
「え?」

 グリーンの声から余裕が消える。

「負けた後に40番水道で修行している時に話したんだけど、どうやらエリカは俺が戦っている姿勢を見てそれだけポケモンを大事に出来るならもう少し一緒に居ようと思ってくれたみたいで……。結果的にはどうにか関係が続いたよ。いやお前のおかげでより強固になったといえるかもな」

 レッドは口角をあげつつ言う。

「あ……あぁそうか。良かったな」

 グリーンは言葉こそ祝福している風だが、不機嫌な様子なのは読み取れる。

「とにかく、ありがとう。これからはもっと腰を据えてエリカとの関係を考えてみるよ」
「そうかいそうかい。幸せにな……チッ」

 グリーンは非常に小さく舌打ちをした。

「あれ? 今舌打ちした?」
「あ? 何言ってんだ気のせいだろ」

 その後二言三言交わしてグリーンとの通話を切った。

―――――――――――――――

 翌日より40番水道、41番水道を超えて三日かけてタンバシティに到着した。

―タンバシティ 
 
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