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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第八話(下) 赤き心は挫けない
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抗できる技が完成しましたわね!」
彼女はレッドの勝利を祝うと共にヤナギ戦への大きな武器が出来たことにまるで自分の事のように喜んでいる。
「ああ、そうだな。これでヤナギさんとも対等に戦える筈だ」
レッドはそういって確信を掴んだように目を輝かせる。
「うん。前にこの町に来た時より二人とも顔つきがかわっている。前はまるで末法の世の如く沈んだ様子だったが、今は毘沙門天をも圧する気迫を持ち合わせているように思えるよ。その調子ならきっと何者も君たちを止めることはできないだろう。オーキドの一件は僕に任せて、頑張ってね」
自分の恋敵をここまで褒めることが出来るマツバを見て、レッドは自分自身がとても小さく思えた。今回戦って、レッドにとってマツバはエリカを狙う天敵などではなく、自分が頭はともかく、精神的に越えるべき大きな壁であると肝に銘じた。
自分はマツバに勝ってなどいない。闘いに勝って、戦いに負けたと。
「はい」
とマツバに二人は答えた。
その後、二言三言話して二人はエンジュジムを後にする。
―4月21日 午後9時 チョウジタウン ポケモンセンター―
三日かけて二人は修行の総仕上げとばかりにスリバチ山を進み、いよいよジョウト地方最大の壁、ヤナギの下へ捲土重来を果たす機会が巡ってきた。
二人は諸事を済ませ、ヤナギ戦へ向けての話し合いを終えた後、レッドが風呂に入る。
その間、エリカはナツメに電話をする。
また少しの間世間話をした後、本題に入る。
「で、あれからどうなったの?」
「何とかシジマさんとミカンさんにバッジを頂いて、チョウジに戻ってきました」
「そんなことくらい知ってるわよ。凄いけれどどうやって勝ったの?」
エリカは塩雪戦法と、エリカが種を蒔いたがレッド自身で技にまで昇華させた大文字の話をする。
「へぇ。二人なりに頑張って着実に勝ちを進めたのね」
「はい。左様ですわ。レッドさんが自らの力で技を作り出された時は本当に嬉しかったですわ。やはり私の眼に狂いは無かったと」
彼女の言葉にウソ偽りはないようである。
「そうね。伝説のトレーナーという看板伊達に背負っている訳じゃないという事ね」
レッドに対しては懐疑的な感情を抱くナツメが珍しく褒めて見せた。
「その通りです! レッドさんには本当感心させられますわー」
彼女はまるで自分の事のように舞い上がっている。
ナツメは暫し黙した後に
「ねぇ。今のあんたの様子聞いてて思うんだけど」
「なんでございましょう?」
彼女は余韻の残った高めの声で答える。
「なんというか、最後に電話した時と、今の時とであんたのレッドに対する感情に変化が出てきたと思うんだけど……」
「変化?
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