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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第八話(上) 苦難と心と
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。お二人ですか……。遂に戻って来たんですね」
「ええ、ミカンさん。ヤナギさんにポケモンの指導を受けていたんですね……」
親交のあるエリカでも知らなかったことのようである。
「はい。ジムリーダーになる前からお世話になっている方です」
「どうしてです? 鋼タイプは氷に強いはずでは」
レッドはミカンに疑問を投げかける。
「いえ。あの、ヤナギさんは往年のポケモントレーナーでもありますから色々なタイプの強いポケモンを持っておられます。あたしが修業する時には主に苦手タイプのギャロップだとかドサイドンなどを使っていただいています」
「なるほど……」
レッドは納得した。
「さて、あたしは灯台であかりちゃんの世話をしなくてはいけないので失礼します。アサギでお二人の挑戦。待ってますから」
そう言ってミカンも立ち去っていった。
バトルフィールドには二人が残される。
「いよいよアサギか……」
「気を引き締めないといけませんね。ヤナギさんには及ばないかもしれませんがいずれも強者であることにはかわりありませんから」
「うん。そうだな。よし、いくか。あの段差を越えればアサギだっ!」
こうして、二人はアサギシティへ向かうのだった。
―4月3日 午後7時 アサギシティ―
夜のアサギは、この前来た朝のアサギとは違う顔を見せた。
灯台が遠くの海を照らし、船乗り達は早くも酔っているのか舟歌を上機嫌に歌いながら二人の前を通り過ぎたり、店の光は煌々とつき、路地を反射させ、街灯が不要なくらいであったりととても賑わっている。
港町のアサギは、2人がつい10日前まで来ていた上品で閑静なエンジュとはまた対照的な特徴がある。
「なんか久々だけど初めて来た感じもする」
レッドはそんなアサギを見て、こう感想を言った。
「あの時は港周辺にしかいませんでしたものね……こうして入口から入り、時間帯も違えば確かに新鮮です。港町アサギここにあり。といったところですわね」
エリカが総括した所で、レッドは本題に戻した。
「そうだな。で、まずはジムだけど……今日は寝よう。もう夜だ」
―午後8時 ポケモンセンター−
こうして二人はポケモンセンターに宿泊した。
それから、エリカが風呂に入った隙を伺いレッドはグリーンに電話をする。
グリーンは面倒くさそうに7回コールの後出た。
「なんだよ」
「いやあのさ……お前の言うとおりエリカをに……しようと思う」
「ほぉう。それで?」
グリーンは興味を持った風である。
「で、どういう風にやればいいと思う?」
「だからそれは自分で考えろっつたろが」
しかし彼は具体的な計画にかかわる気はないようである。
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