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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第八話(上) 苦難と心と
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の言うとおり、エリカは自分から躰を許すことはまずしないだろう。しかし、彼女が普通の女性よりもかなり強く貞操を意識していることは明らか。そんな女性に実力行使をすることが果たして良策といえるのか。
レッドはとにかくどうするのが良いのか考えつくす。
「貴方?」
レッド自らが思うよりも長く立っていたのだろうか、エリカが背後より呼びかける。
「ん? どうした」
「どうしたって、それはこちらがお訊きしたいですわ。そんなに思いつめたようなお顔をされて……。もしかして先ほどのお電話で何かあったのですか?」
彼女はレッドの左に回り込んで心配そうな顔を覗かせる。
レッドはそんな彼女を愛おしいと思いつつ、口を開く。
「いや、なんでもない。行こう」
「貴方がそう仰るのであれば、それで宜しいのですが……」
彼女は釈然としなさそうな表情をしつつ、レッドの後を追う。
その後、三日かけて38番、39番道路を進んでいく。
―4月3日 午後5時 39番道路―
アサギシティまで残り1qといったところで二人は大きな音を耳にする。
その後、光がおこり、やがておさまっていった。
不思議に思った二人は音がした森の中に入っていく。
「上出来だの。ミカンよ。今日はここまでとしよう」
二人にとって聞き覚えのある声がする。
そして、更に前へと進む。すると、バトルフィールドに出た。
「今日もありがとうございました。ヤナギ先生!」
と、若い女の声がする。
声の主はミカンであった。ミカンは深々とヤナギにお辞儀をする。
どうやらヤナギがミカンにポケモンの師事をしているそうだ。ヤナギはホホと笑いながら
「なに、同業の好で当然のことをしておるまでよ。それはそうと、そろそろアサギに二人が来るころだの」
「はい。ヤナギさんとの仕合や普段の修業で得た成果を存分に発揮させたいと考えています」
ミカンは顔を引き締め、強い意志を宿した眼で言う。
「うむ。しっかりやるのだぞ。相手が相手だから君にとっては大いに苦戦を強いられるやもしれぬがの」
「な、何を言うんです! 悠々と勝ってみせます。先生が勝てるのにあたしが負けたら弟子の名折れではないですか。この守りは如何にせめようと跳ね返しますから!」
ミカンは少したじろぎながらも、しっかりと返答してみせた。
「うむ、その意気よ。君の鍛えに鍛えた相棒で全力でぶつかるとよい。だが、無理はせぬように。鋼も、氷と同じく限度がある故の……」
そういうとヤナギは東の方角に消えて行った。
ミカンはヤナギがいなくなるまで深々と頭を下げ続けた。
頃合いを見計らって、二人はミカンに話しかける。
ミカンは驚いたがすぐに身を正し、
「ああ
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