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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第八話(上) 苦難と心と
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ないので負けていた可能性はありましたし……」
「確かにそうかもしれませんが結果は結果です。それを言うならあのジバコイルの雷がリザードンに当たっていればそれこそこちらの負けが早まっていた。ですから、おあいこです」
「おあいこですか……。確かにそうかもしれませんね」

 そういうとミカンは納得したかのような顔をして話を終わらせた。

「ミカンさん。いつの間にか腕を上げられていて同じジムリーダーとして嬉しい限りですわ」
「いえいえ。エリカさんも草タイプだというのにここまで善戦するとは思いませんでした。きっとレッドさんみたいにフリーだったらそれこそチャンピオンを狙えるんじゃないかって思ったくらいですよ」
「まあ。お上手ですこと」

 レッド自身そう思うこともあった。彼女の頭脳は一介のジムリーダーで終わらせていいものなのかと。そして、エリカ自身にもどうしてだか分からないがだいぶ余裕が見えてきたことにレッドは安堵を覚えつつあった。
 エリカは社交辞令だとばかりに受け流すが、ミカンは真剣な表情で。

「いえ、これは冗談ではなく……」
「たとえそうであったとしても私はジムリーダーの座から上に行こうとは思いませんわー。チャンピオンや理事長なんて荷が重すぎますもの。私は一つのジムを切り盛りしていくくらいが性に合っていると思いますし」
「そ、そうですか。勿体無いな……。それはともかく、お二人はこれから?」

 ミカンが尋ねると、レッドが答える。

「とにかく修行と探検の為まだ冒険していない西の方へ向かおうかなと」
「そうですか……。あの、南西には渦潮で有名な水道があるんですけど、そこを抜けるとタンバシティという街に着いてシジマさんというとても元気なお方がリーダーを務めているジムがあります。ヤナギさんほどではないですがその方にも稽古をつけて頂いておりまして……是非立ち寄られては如何でしょう」
「立ち寄るも何も基からそのつもりですよ。ミカンさん、次に会うときは必ず勝ちますから!」

 そう言ってレッドは背をむけてジムを立ち去る。エリカもミカンに別れを告げた後レッドに続く。
 
 こうして、レッドとエリカの旅は更に苦難となっていくのであった。

―第八話(上) 苦難と心と 完―


 

 

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