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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第八話(上) 苦難と心と
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も体力を30ほど残して立っていたのだ。ミカンの方も予想外とばかりにリザードンを見ている。

「リ……リザードン」

 リザードンは呼びかけに対して右目だけレッドの方向にやり、にっと笑ってみせる。

「よし……。リザードン! 仕返しだ、メタグロスに大文字!」
「承知っ」

 メタグロスは威力700に迫る大技をその一身に受けることとなった。
 大文字は見事命中し、メタグロスは消し炭に化したかと思う。しかし、炎が明けてもメタグロスは四本足の姿勢を崩そうとはしなかった。
 
「嘘……だろ」

 レッドは目の前で起こっていることが信じられなかった。リザードンもまた目を白黒にしている。
 
「残念でしたね。鍛え抜かれた鋼は、このくらいでは熔けないのです」

 ミカンは屈託のない笑顔を見せながらレッドに言う。
 よく見るとメタグロスのクロスしている鋼の交点あたりでモグモグしているのが見えた。どうやら木の実の力だったが、メタグロス自身の堅さも大いに相関していることは分かっていた。
 レッドは拳を握りしめながらミカンの言葉を記憶に刻む。

「ダーテング。エンペルトにソーラービームです!」

 ダーテングの放った光線は確実にエンペルトを射抜き、地震で弱っていたのも相まってその身を遂に地に伏せた。

「なっ」
「先ほどから見事だとは思っておりましたが……。しかし、詰めが甘いですわ。いくらリザードンを弱らせる為とはいえ、自分のポケモンに不利な技で巻き添えを食らわすだなんて」
「だ……だから諸刃の剣と言ったんです」
「左様ですか……エアームドに交代するなりほかに手は打てたと思いますけれど」

 そうまで言われると功に焦った自分の浅はかさが見透かされているとでも思ったのかミカンは小さく労いの言葉をかけた後に、エンペルトを戻す。

「行って、ドータクン」

 トリックルームの効果が切れ、もう一度有利にもっていこうと考えたのかミカンはドータクンを選択する。
 しかしそうは問屋は卸さないとばかりに

「リザードン! ドータクンに大文字だっ!」

 リザードンはドータクンに灼熱の炎を放つ。最大限の威力といえるその技は見事に直撃し、さすがに一撃でやられただろうとレッドは思った。
 しかし、炎が晴れてみると一部変色こそおこしていたものの倒れてはいない。どうやらこのドータクンの特性は耐熱のようである。
 リザードンは一度ならず二度までも自らの最大火力の大文字で倒れなかった相手をみて目を疑っている

「だから言ったではないですか……。鍛え抜かれた鋼はそうやすやすと熔けたりはしないんです! メタグロス! 地震」
「ダーテング! メタグロスに辻斬り!」
 
 ダーテングが先制し、メタグロスを切りつける。さすがに大
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