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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第八話(上) 苦難と心と
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像もできないほど猛烈な勢いでジバコイルに襲い掛かり最大限の力で木端微塵にした。しかし、ジバコイルは頑丈な為体力を1残してフラフラになりながら粘る。

「ドータクン。カビゴンにジャイロボール!」

 ドータクンはその身を高速に回転させてカビゴンの懐に突っ込んだ。さすがに一たまりもなくカビゴンは巨体を地に伏せる。
 これでレッドに出せるポケモンは残り一体となった。ヤナギ戦ほどではないものの不利な状況に追い詰められている。

「ダーテング。日本晴れです」

 そして、先ほどまで空を覆っていた雨雲が消え去り、天候は晴れとなった。
 しかし、トリックルームのターンはまだ2つ残っている。
 晴れとなった以上レッドの選択肢は炎ポケモンを出す以外になかった。

「行け。リザードン」

 レッドにとってジバコイルがいる中でのリザードンは大きな賭けである。
 しかし、彼はリザードンの火力を信じてこれを出すに至ったのだ。
 ミカンは目を見開かせてレッドを見た。

「……。ジバコイル! リザードンに雷」

 ジバコイルはリザードンに雷を下そうとした。
 しかし、あと30センチ手前で外し、リザードンは九死に一生を得る。

「ドータクン。重力!」

 空間が歪み、ポケモンたちは少し潰されたかのような格好になる。
 リザードンは地についてしまった。

「ダーテング。ジバコイルに辻斬りです」

 ジバコイルはダーテングの素早い切りつけに対応しきれず、ついに地につく。
 ラプラス、ルンパッパに致命傷を負わせたミカンの主力ともいうべきポケモンはその機能を停止させた。

「ジバコイル……有難う。本当によく頑張ったね。ドータクンも、もう休んでいいよ」

 そう呟きながらミカンはジバコイルとドータクンを戻す。

「行って、エンペルト! メタグロス!」

 トリックルームの効果が切れるのはこのターン。
 つまりリザードンに対してノーダメージで優位に立てるのはこのターンで最後である。
 レッドには明らかにこのターンで潰しにかかっていることが見えていた。

「エンペルト! リザードンにハイドロポンプ!」

 エンペルトの放った水流はリザードンに命中。
 しかし、晴れ状態であった為にそこまでの致命傷にはならなかった。
 これを見てミカンはしばし考えた後

「諸刃の剣ですが……仕方ないですね。メタグロス! 地震!」

 レッドはこの為であったかと頭を抱えた。
 いくら不一致技とはいえあのメタグロスである。倒れてもおかしくない。
 レッドは目を瞑ってしまう。
 地は大きく震える。
 10秒ほど経ったであろうか、目をおそるおそる開けてみる。
 すると、信じられないことにリザードンは満身創痍でありながら
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