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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第七話 大姦の蠢動
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リカを怒らせたのだ。
レッドはここまで言われて漸く、オーキドに対して疑念を抱く。
「記憶を消されたか……。とすると、直談判には行ったみたいだね」
と、言いながらマツバは立ち上がる。
「左様ですわね。わざわざこのような行動を取るなど自らのやった事をこれ見よがしに認めたようなものです」
「僕がオーキドの所に行ったせいでこうなったとしたら、もう一度行ったとしても記憶を消されるだけ……。別の方策を取ったほうがいいね」
「ポケモンを救うことは諦めたということですか」
レッドは嘲った調子でマツバに言う。
「諦めた? 冗談はよしてくれ。こうなったらリーグに監視権を用いて、エンジュ大学内を捜索してもらえるよう地道に証拠を集めるしかない。……うん?」
マツバはエンジュ大学の方向を向いた途端、うつむく。
「どうされました?」
「どうも起きてからおかしいと思ってたら……千里眼が使えない」
「ええっ? それってつまり……」
「大学内で具体的に何があったのか、意地でも教えたくないという事か……。にしても僕の目に細工をするとは……許せない」
マツバは自ら勝ち得た物を奪われて、大いに憤慨している様子だ。
「マツバさんのお力まで制御するとは……敵は凄まじいまでの科学力を有していそうですわね」
エリカは大いに警戒している。
「ポイントを絞った記憶消去といい、それも含めてオーキド博士なら不可能じゃない……そういう訳か」
レッドはようやくオーキドが黒幕という点について半信半疑ながらも腑に落とした。とはいえ、内心は決して穏やかではない。
「これから、どうなさるおつもりですか」
「こうして生還出来たし、ジムには復帰するよ。それで、怪我しない程度にどうにか証拠を探ってみる。ミナキ……ああ、僕の古い友人だけど、あいつにはこれまで調べた書類も渡している。あれを元にどうにか根っこを掴んでみせる」
マツバは冷静に語ってはいるが、
憤懣
(
ふんまん
)
やるかたない様子は十二分に二人へ伝わった。
「そうですか。体を大事にして、どうにか良い成果を得られるようにお祈りいたしますわ!」
普段のエリカならば社交辞令で済ますところ。しかし、レッドの目には私情も大いにはらんでいるように映った。
「うん。頑張るよ! さて、ここにまた来たと言う事は二人は次、ヤナギさんの所かな?」
レッドは痛いところを突かれて面食らった。
「あの、実は……」
エリカはヤナギに負けたこと、スリバチ山で昨日まで修行していたことを事細かに話す。
「そうなのか……。ヤナギさんは同じジムリーダー僕らなんかとは格が全然違うし、負けてしまうのも無理は無いよ。それにしてもあそこにもロケット団が居たのか……。
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